ローヂャナ・アユタヤ工業団地

ロジャナ工業団地は、タイのRojana Industrial Park Public Co.,Ltd.が運営する工業団地です。タイ中部のアユタヤ県に最初の工業団地が開発され、現在はバンコク北部のアユタヤ県、北東部のプラチンブリ県、東部のチョンブリ県、ラヨン県に計8つの工業団地を運営・開発しています。この工業団地は、タイの財閥であるウィニットブット家と日鉄物産の合弁事業として設立されました。

2022年現在、約350社が入居し、従業員数は10万人規模と、民間資本による工業団地としてはタイ国内最大級の規模を誇ります。バンコクの市街地、港、空港へのアクセスが良く、立地条件の良さから多くの企業が進出しています。入居企業の内訳を見ると、自動車、自動車部品、電気・電子関連、食料品、溶断関連など多岐にわたりますが、その中でも特に日系企業が多く、約150社が入居しています。

ロジャナ工業団地の本社の所在地は、バンコクのItalthai Tower内にあり、アユタヤ事務所は工業団地内に設置されています。主要な場所からの距離は、アユタヤ市街から約7km、ドンムアン空港から約43km、バンコク市内から車で約1時間（約70km）、スワンナプーム国際空港から約90km、レムチャバン港から約112kmです。工業団地の総面積は10,260ライで、ロジャナ1（フェーズ1-6）、ロジャナ2（フェーズ7）、ロジャナ3（フェーズ8）と段階的に開発が進められています。さらに、フェーズ9では太陽光発電所が設置され、フェーズ10も開発中です。

インフラ面では、工業用水は2箇所の水源から供給され、パーサック川からの給水量は1日あたり115,000㎥です。電力はタイ地方電力公社(PEA)とロジャナパワー社から供給され、ガスもロジャナパワー社から供給されています。電話回線はPTTにより敷設されています。排水処理能力は1日あたり92,000㎥です。団地内の幹線道路は幅36m、側道は幅24mと広く、洪水対策も万全です。排水システムが完備され、150mごとに消火栓が設置されているほか、消防車や24時間体制のセキュリティも完備しています。

ロジャナ工業団地は、工業団地内の電力供給のため、日鉄物産と共同出資したロジャナパワー社を通じて、天然ガス発電事業も行っています。また、2011年には、ロジャナ・エナジーがアユタヤの工業団地内に大規模な太陽光発電プラントを設置する計画を発表し、2012年末に稼働を開始しました。この発電所は、最大出力2万4,000kWの能力を持ち、発電した電力はタイ地方電力公社(PEA)に売却されています。

ロジャナ工業団地は、2011年のタイ北部の大雨による洪水被害も経験しています。アユタヤ県内でも洪水が発生し、周辺の工業団地が冠水、閉鎖される事態となりました。本工業団地も、ホンダ・モーター・タイランド工場での生産が一時ストップするなど、大きな影響を受けました。当時、団地周辺には土塁を築いていましたが、浸水が始まり、退去命令が出されました。その後、排水復旧作業が行われましたが、入居企業の中には復旧を断念し、工場を閉鎖する企業もありました。

関連事項として、タイの工業省やタイ工業団地公社、日鉄物産などが挙げられます。ロジャナ工業団地に関する詳しい情報は、ロジャナ工業団地の公式ウェブサイトや、ニュースクリップの記事などで確認できます。

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