アユタヤ県

アユタヤ県（タイ語: จังหวัดพระนครศรีอยุธยา）は、タイ中部を代表する県の一つです。正式名称はプラ・ナコーン・シー・アユッタヤー県ですが、日本では一般的に「アユタヤ」と表記されます。ただし、「アユッタヤー」の方がタイ語の発音により近いとされています。

名称の由来

「アユタヤ」という名称は、サンスクリット語で「難攻不落の都」を意味する言葉が転訛したとされています。この名前が示すように、かつてアユタヤは強固な城壁に囲まれた重要な都市でした。

地理

アユタヤ県は、チャオプラヤー川沿いの平原に位置し、バンコクの北約60kmにあります。肥沃な土地に恵まれ、タイを代表する稲作地帯として知られています。バンコクからのアクセスも良く、鉄道やバスを利用して日帰りでの観光が可能です。

歴史

11世紀頃にはクメール人によって建設され、1351年にアユタヤ王朝の初代国王であるウートーン王がこの地を首都と定めました。その後、1767年にビルマ軍によって破壊されるまで、約400年もの間タイの中心都市として繁栄しました。この間に建てられた数々の寺院や宮殿は、現在ユネスコの世界遺産（文化遺産）に登録されており、その歴史的価値が世界的に認められています。

アユタヤ歴史公園には、これらの遺跡が点在しており、当時の繁栄を偲ばせる壮大な建造物群を見ることができます。また、バーンパイン郡には、ラーマ5世（チュラーロンコーン）が建設したバーンパイン宮殿があり、こちらも人気の観光スポットです。

県章

アユタヤ県の県章は、ウートーン王が地面に埋められた見事なホラ貝を発見し、その場所を都としたという伝説に基づいています。県章には、そのホラ貝を祀った祠が描かれています。この県章は、アユタヤの歴史と文化を象徴するものです。

県花・県木

アユタヤ県の県花はキバナツノクサネム（Sesbania aculeata）、県木はスズメイヌジシャ（Cordia dichotoma）です。これらの植物は、アユタヤの豊かな自然を代表する存在です。

行政区

アユタヤ県は、16の郡（アムプー）に分かれており、さらにその下に209の町（タムボン）と1,706の村（ムーバーン）があります。これらの行政区画は、県内の様々な地域における生活や文化を支えています。

関連事項

アユタヤには、かつて日本人町が存在しました。その名残は今も一部に見られ、アユタヤと日本の歴史的なつながりを示すものとして注目されています。この日本人町は、当時のアユタヤと日本の交流を物語る重要な要素の一つです。

アユタヤ県は、その豊かな歴史と文化、そして美しい自然が調和した魅力的な場所です。古代から現代に至るまで、多くの人々を魅了し続けています。

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