ロートCキューブ

ロートCキューブは、日本の大手製薬会社であるロート製薬が手掛ける、コンタクトレンズおよびその関連製品全般を網羅する一大ブランドです。同社の登録商標（第4229105号ほか）でもあり、その歴史は1995年11月7日に、コンタクトレンズケア用品のブランドとして幕を開けました。

ブランド発足当初のケア用品は、従来の複雑なステップとは一線を画し、「ベース・ソリューション」と「バイオドロップ」というわずか2つの製品で基本的なケアを完了できるシンプルさが特徴でした。製薬会社としての知見を活かし、翌1996年にはコンタクトレンズ装用者向けの目薬を発売。これが現在の「ロートCキューブm」へとつながります。

目薬の容器デザインにも変遷が見られます。初期には他の製品で採用されていた小型のスクエア型でしたが、2000年3月の改良時に卵型へと変更され、内容量も増えました。この卵型容器は海外向け製品にも使用されています。さらに、2008年には18mlの大容量容器が登場するなど、使いやすさを追求した進化を続けてきました。製品ラインナップは目薬にとどまらず、2000年3月には洗眼薬も加わりましたが、こちらは2018年10月をもって製造を終了しています。

そして、2022年3月には、ついにブランドとして初のコンタクトレンズ本体を発売。これにより、ロートCキューブはOTC医薬品（目薬）、ケア用品、コンタクトレンズ本体という複数のカテゴリーを扱う総合ブランドとしての地位を確立しました。ケア用品は薬局、ドラッグストアだけでなく、スーパーやホームセンター、コンビニなど幅広いチャネルで販売されていますが、高度管理医療機器であるコンタクトレンズは専門店での取り扱いとなります。

ロートCキューブが掲げるブランドスローガンは、3つの「C」に集約されます。「Clear（キレイに）」「Care（やさしく）」「Comfort（快適に）」。これらの理念に基づき、製品開発が行われてきました。

ブランドの歴史は、新製品の発売や既存製品のリニューアルを通じて刻まれています。例えば、1997年にはこすり洗い洗浄液「レンズエステ」やO2・ハードレンズ用酵素洗浄保存液「オーツーワン」が登場。1998年にはO2・ハードコンタクトレンズ用では日本初となるクールタイプの目薬「O2クール」が発売されました。2000年代に入ると、ソフトコンタクトレンズ用消毒液「ソフトワン」シリーズや、うるおいを重視した目薬「モイスチャージ」など、多様なニーズに応える製品が続々と市場に投入されました。特に「ソフトワンクール」は、日本初のクールタイプのソフトコンタクトレンズ用消毒液として注目を集めました。

製品改良も頻繁に行われ、処方の強化や、ヒアルロン酸ナトリウムなどの保湿成分配合が進められました。容器も改良され、2009年にはレンズケースが抗菌タイプになり、キャップが一体化した紛失防止タイプが登場するなど、使い勝手の向上も図られています。

2010年には、コンタクト用目薬として初めて抗ヒスタミン剤を配合した「クリアフラッシュAL」を発売。2012年には目薬シリーズに塩化カリウムや塩化ナトリウムなどを配合した「マルチミネラル処方」を採用するなど、機能面での進化も遂げています。また、この時期には、容器を傾けずに点眼できる「フリーアングルノズル」も採用されました。2014年には機能性重視の「ロートCキューブプラス」シリーズが登場し、2019年にはさらに進化させた「ロートCキューブプレミアム」シリーズへと刷新されました。プレミアムシリーズでは、従来の成分に加えて、コンタクト用目薬では初となる成分や、ビタミン類などが配合されるなど、より高度なニーズに対応しています。2023年には、目薬で最高レベルの清涼感を持つ「プレミアムアイスパーク」も加わりました。

近年では、アニメやゲームとのコラボレーションによる限定デザイン品を数量限定で発売するなど、ブランドへの関心を高める取り組みも行われています。2021年に話題となった「猫耳目薬企画品」は、SNSでの反響から商品化に至ったユニークな例です。

多くの販売終了品もありますが、これはブランドが常に進化し、新しいニーズに応える製品を開発してきた証とも言えます。例えば、初期の基幹ケア用品であった「ベース・ソリューション」と「バイオドロップ」は2021年に製造を終了しました。洗眼薬シリーズも2018年に幕を閉じています。

現在も、目薬、ケア用品、そしてコンタクトレンズ本体に至るまで、幅広い製品ラインナップでコンタクトレンズユーザーの快適な生活を支え続けているブランドです。

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