ロードトレイン

ロードトレイン：砂漠を駆ける巨大輸送システム

ロードトレインは、オーストラリアの内陸部でよく見られる、文字通り「道路を走る列車」のような存在です。これは、一台の大型トラックが複数のトレーラーを連結して、一度に大量の貨物を輸送するシステムを指します。

ロードトレインが活躍する背景

オーストラリアは広大な国土を持つ一方、鉄道網が十分に発達していません。特に内陸部や北部地域では、鉄道輸送が困難な場所が多く存在します。そこで、ロードトレインが、都市部から遠く離れた地域への物資輸送を担う重要な役割を果たしています。

2000年代初頭まで鉄道が開通していなかったダーウィンへの輸送ルートでは、アデレードからロードトレインが大量の物資を運び込みました。大陸中央部の道路は、信じられないほど長く直線が続くため、100mを超えるロードトレインでも、時速100kmで走行することが可能です。

ロードトレインの構造と特徴

ロードトレインは、一台のトラクターヘッドと呼ばれる牽引車が、複数のトレーラーを連結した構造をしています。トレーラーの数や種類は、輸送する貨物の量や種類、道路状況などによって異なります。一般的なロードトレインは、2〜3台のトレーラーを連結していますが、さらに多くのトレーラーを連結した、非常に長いロードトレインも存在します。

ロードトレインとすれ違う際の注意点

ロードトレインが走行中に発生させる風は非常に強力です。特に、高速で走行しているロードトレインとすれ違う際には、巻き込み事故を防ぐために、十分な車間距離を保ち、速度を落とすなどの注意が必要です。

日本におけるロードトレイン

日本では、道路交通法の制限により、ロードトレインのような長大なトラックは一般的ではありません。しかし、木材輸送などの特殊な用途で、短いロードトレインが少数使用されています。道路運送車両の保安基準により、フルトレーラーの全長は実質21mまでとなっています。

関連情報

* 宇部伊佐専用道路: 山口県にある私道で、構内道路として道路交通法の適用を受けないため、ロードトレインに類似した複数連結トレーラーの走行が見られます。

ロードトレインは、オーストラリアの広大な大地を支える、物流の大動脈と言えるでしょう。

もう一度検索