ローマ共和国 (19世紀)

ローマ共和国

ローマ共和国（イタリア語: Repubblica Romana）は、1849年の2月から6月までの間、イタリアのローマを中心に存在した短命の政体です。この共和国は、教皇領と同じ境界を持ち、古代ローマの共和政を模した三頭政治を採用しました。また、自由な信仰が保障された国であり、同時に史上初めて死刑を禁止した憲法を持つことでも知られています。

背景

1848年に発生したフランス二月革命は、ヨーロッパ各地に波及し、ローマにも深刻な影響を与えました。この年の11月、教皇ピウス9世はローマを脱出し、教皇国家の首相であるペッレグリーノ・ロッシが暗殺されるという混乱状態が続きました。この結果、ローマは無政府状態に陥りました。

政権の樹立

1849年の2月9日、革命の成果によりローマ共和国が樹立されました。教皇は逃亡し、ガエータに避難しました。その後、ジュゼッペ・マッツィーニ、アウレリオ・サッフィ、カルロ・アルメッリーニの三人が三頭執政官となり、政権を担いました。

戦闘と崩壊

共和国の成立後も、内外の敵勢力との戦いは続きました。ジュゼッペ・ガリバルディらが指揮するローマ防衛軍は、一時的にフランス軍を撃退しましたが、1849年の7月3日、ルイ＝ナポレオン・ボナパルト（後のナポレオン3世）率いるフランス軍に降伏せざるを得ませんでした。この結果、教皇は1850年にローマに戻ることができました。

その後の影響

ローマ共和国の崩壊以降、イタリア統一運動が加速しました。1861年にはイタリア王国が成立し、フランス軍が教皇領を守護する役割を担っていましたが、普仏戦争が勃発するとフランス軍は撤退しました。その後、イタリア王国軍がローマを占領し、1870年には教皇領が消滅しました。

結論

ローマ共和国は短い存在に終わりましたが、その後のイタリア統一運動において重要な役割を果たしました。また、信仰の自由や人権に対する先進的な姿勢が評価され、歴史に名を刻むこととなりました。

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