ローマ教皇庁立国際マリアン・アカデミー

ローマ教皇庁立国際マリアン・アカデミー：聖母マリア研究のグローバルネットワーク

ローマ教皇庁立国際マリアン・アカデミー（Pontificia Academia Mariana Internationalis、略称：PAMI）は、聖母マリアに関する学問的研究、文化交流、そして敬虔な崇敬の促進を目的とする、バチカン公認の国際機関です。世界各地のマリア研究者や団体を繋ぎ、マリア神学の発展に大きく貢献しています。

アカデミーの設立と発展

1946年7月、小さき兄弟会（フランシスコ会）によって設立されたアカデミーは、当初から学術会議の開催や専門図書の出版を通して、マリア研究の進歩に尽力してきました。特に、無原罪の御宿りの教義100周年を記念した研究活動は、アカデミーの初期における重要な貢献でした。

1959年、教皇ヨハネ23世によって「教皇庁立」の称号が与えられ、アカデミーの国際的な地位が確立されました。同時に、国際的なマリア学会議の開催と調整を担う常設委員会が設立され、アカデミーの組織体制が強化されました。その後、教皇ヨハネ・パウロ2世による法令制定を経て、現在の評議会体制が整えられました。

国際マリア学会議とアカデミーの活動

PAMIは、1950年から国際マリア学会議（Mariological International Congresses）を開催し、世界中からマリア研究者が集う重要な場を提供してきました。初期の会議では、聖母マリアに関する神学的議論や歴史的考察が中心でしたが、近年では、第二バチカン公会議以降のマリア神学の動向や、現代社会における聖母マリアへの信仰のあり方など、多様なテーマが取り上げられています。会議の成果は、マリア神学コレクションとして出版され、世界中の研究者に広く利用されています。

アカデミーの活動は、国際会議の開催にとどまりません。世界各地のマリアン・センターとの連携強化や、マリアに関する研究の促進、そして何より、聖母マリアへの健全な敬虔な崇敬の育成に力を入れています。教皇ヨハネ23世の教皇文書にも示されているように、PAMIは各国におけるマリア神学研究の調整を行う中央機関としての役割を担っています。

最新の取り組み

2023年4月には、聖母マリアの出現、個人的啓示、聖痕、超自然現象などの研究を専門とする研究所が設立されました。この研究所は、歴史的資料の分析や現代の事例調査を通じて、これらの現象に対する学術的な考察を深めることを目指しています。

PAMIの長官

アカデミーの活動を率いてきた長官には、以下の方々が就任しています。

カルロス・バリック (1959年-1977年)
パブロ・メラダ (1977年-1996年)
ガスパール・カルボ・モラレジョ (1996年-2002年)
ヴィンチェンツォ・バッタリア (2002年-2017年)
* ステファノ・チェッキン (2017年-現在)

世界のマリアン・センターとのネットワーク

PAMIは、世界各地にあるマリアン・センターとも連携しており、国際的なネットワークを構築しています。これらのセンターは、それぞれ地域におけるマリア神学研究や聖母マリアへの崇敬の促進に貢献しています。

ローマ教皇庁立国際マリアン・アカデミーは、今後も聖母マリアに関する研究を推進し、世界中の信者にとって重要な役割を果たしていくことでしょう。

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