ローマ＝アンコーナ線

ローマ＝アンコーナ線：イタリア半島を横断する鉄路

ローマ＝アンコーナ線は、イタリアの首都ローマとアドリア海に面する港湾都市アンコーナを結ぶ、重要な鉄道路線です。この路線は、イタリア半島を横断し、アペニン山脈を越えるルートを通っており、沿線にはウンブリア州の主要都市が点在しています。当初、この路線は教皇国家によって「ピオ中央鉄街道」と名付けられましたが、後にイタリア王国によってこの名称は廃止されました。

路線の特徴

ローマを出発した列車は、まずフィレンツェ方面へ向かう旧線と線路を共有し、オルテまで進みます。その後、アンコーナ方面へ進路を変え、ファルコナーラ・マリッティマでアンコーナ＝ボローニャ線と合流し、最終区間を共有してアンコーナに到着します。近年、路線の安全性向上のため、施設更新作業が行われ、全線が直流3kVで電化されています。

複線化の状況

ローマ＝アンコーナ線は、州内列車、州間列車、インターシティ、ユーロスターなど、多様な列車が運行する、比較的交通量の多い路線です。しかし、その大部分は単線区間となっており、以下の構成となっています。

ローマ - オルテ: フィレンツェ＝[[ローマ線]]との共用区間は複線です。
オルテ - テルニ: 30kmが複線化されています。
テルニ - カンペッロ: 40kmが単線区間です。
カンペッロ - フォリーニョ: 15kmが複線化されています。
フォリーニョ - フォッサート: 40kmが単線区間です。
フォッサート - ファルビアーノ: 15kmが単線区間です。
ファルビアーノ - アルバチーナ: 10kmが単線区間です。
アルバチーナ - モンテカロッコ: 25kmが単線区間です。
モンテカロッコ - ファルコナーラ: 25kmが複線化されています。
ファルコナーラ - アンコーナ: アドリア海線との共用区間は複線です。

このように、路線の大部分が単線区間であるため、今後の複線化が望まれます。

沿線と駅

ローマ＝アンコーナ線の沿線には、テルニ、スポレート、フォリーニョといったウンブリア州の主要都市が点在しており、これらの都市へのアクセスを支える重要な役割を果たしています。各駅では、地域住民や観光客が利用しており、それぞれの駅が地域の経済活動や生活に密接に関わっています。

参考文献

以下は、ローマ＝アンコーナ線に関する参考文献です。

Gianfranco Tiberi. Gli investimenti ferroviari:150 anni di altalena, in La tecnica professionale. Roma, CIFI, 1989.
Gian Guido Turchi. La ferrovia Roma-Ancona dalla "Pio centrale" al "Pendolino", in Ferrovie italmodel. Verona, edizioni EMME, 1979.

これらの文献は、ローマ＝アンコーナ線の歴史や技術的な側面について、より深く知るための手がかりとなるでしょう。

ローマ＝アンコーナ線は、イタリアの交通網において重要な役割を担う鉄道路線です。今後の複線化やさらなる近代化を通じて、その利便性はさらに向上することが期待されます。

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