ローランド・ジョフィ

ローランド・ジョフィ(Roland Joffé, 1945年11月17日 - )は、イギリスのロンドン出身のフランス系ユダヤ人の映画監督です。フランス名であることから、本来の発音はロラン・ジョフェとなります。

彼のキャリアは演劇から始まりました。マンチェスター大学で英語と演劇を専攻した後、舞台の世界で経験を積みます。その後、テレビの世界へ転身し、BBCなどでドラマ制作に携わり、演出能力を高めていきました。

映画監督としての才能が開花したのは1984年。カンボジア内戦を描いた『キリング・フィールド』(The Killing Fields)で長編映画監督デビューを果たします。この作品は高い評価を受け、アカデミー賞監督賞にもノミネートされました。彼の名を世界に知らしめるきっかけとなった重要な作品です。

1986年には、南米を舞台にイエズス会の宣教師たちの物語を描いた『ミッション』(The Mission)を監督。この作品は、その壮大なスケールと感動的なストーリーで高い評価を受け、第39回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞するという快挙を達成しました。翌年には、再びアカデミー賞監督賞にノミネートされています。

『キリング・フィールド』と『ミッション』の2作品は、彼の代表作として広く知られており、その高い芸術性と社会性から、映画史に残る名作として高く評価されています。戦争や宗教、人間の葛藤といった普遍的なテーマを、圧倒的な映像美と深い人間性をもって描き出している点が、彼の監督作品の特徴と言えるでしょう。

その後も、ジョフィは精力的に作品を発表し続けました。1989年の『シャドー・メーカーズ』(Fat Man and Little Boy)、1992年の『シティ・オブ・ジョイ』(City of Joy)、1995年の『スカーレット・レター』(The Scarlet Letter)、1999年の『グッバイ・ラバー』(Goodbye Lover)、2000年の『宮廷料理人ヴァテール』(Vatel)など、様々なジャンルの作品を手がけ、その幅広い才能を披露しています。

近年では、2007年の『キャプティビティ』(Captivity)、2008年の『You and i』(DVDスルー題『YOU and i』)と『There Be Dragons』(DVDスルー題『フロントミッション　革命の反逆者たち』)、2013年の『The Lovers』(WOWOW放映題「タイム・ラヴァーズ　時空を繋ぐ指輪」)、2015年の『Texas Rising』、そして2016年には伝説のミリオン・ダラー・カルテットを題材にしたテレビ・ミニシリーズ『Million Dollar Quartet』を監督するなど、活動を継続しています。

ローランド・ジョフィは、そのキャリアを通じて、常に高いクオリティの作品を追求し、観客に深い感動を与え続けてきました。彼の作品は、社会問題や歴史的な出来事、人間の感情といった多様なテーマを扱っており、様々な角度から人間の本質を問いかけています。彼の監督作品は、映画ファンのみならず、多くの映画関係者からも高く評価されており、今後も世界中の観客を魅了し続けることでしょう。彼の今後の作品にも期待が高まります。

もう一度検索