ローランド・モリス

ローランド・スレイター・モリス（Roland Sletor Morris, 1874年3月11日 - 1945年11月23日）は、アメリカ合衆国の外交官です。彼はワシントン州で生まれ、プリンストン大学を卒業後、外交官としてのキャリアをスタートさせました。

1917年（大正6年）、モリスは日本政府の要請を受け、駐日アメリカ合衆国大使として来日しました。当時の日本は第一次世界大戦の渦中にあり、アメリカからの鉄鋼輸入が重要な課題となっていました。モリスは、日本の実業家である金子直吉や松方幸次郎らと協力し、アメリカへの鉄鋼輸出解禁に向けた交渉を精力的に行いました。この交渉は、戦時下における日米間の経済協力において重要な役割を果たしました。

また、同時期にモリスは、シベリア出兵における日本とアメリカ合衆国の間の折衝にも深く関与しました。シベリア出兵は、ロシア革命後の混乱に乗じて、日本を含む各国がシベリアに軍隊を派遣した事件です。この出兵は、国際的な政治情勢が複雑に絡み合う中で行われたため、各国間の利害が衝突し、様々な問題が生じました。モリスは、アメリカの立場を代表し、日本との間で慎重な外交交渉を行い、事態の収拾に努めました。

1921年（大正10年）、モリスは任期満了によりアメリカに帰国しました。帰国後は、ペンシルベニア大学で教鞭を執り、後進の育成に尽力しました。モリスの外交官としての活動は、第一次世界大戦という激動の時代における日米関係の維持と発展に大きく貢献しました。彼の粘り強い交渉力と国際情勢に対する深い理解は、後の世代に大きな影響を与えました。

ローランド・スレイター・モリスは、激動の時代において、日米関係の架け橋として重要な役割を果たした外交官であり、その功績は今日においても高く評価されています。

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