ローン (装甲巡洋艦)

ローン (SMS Roon)

ローン（SMS Roon）は、ドイツ帝国海軍に所属していた装甲巡洋艦であり、その歴史は1902年にさかのぼります。この艦は、ドイツ海軍のローン級の一艦として、キール工廠で建造され、艦名はプロイセンの将軍および政治家、アルブレヒト・フォン・ローンに由来しています。建造には約1530万マルクの費用がかかりました。

建造と初期の活動

艦の起工は1902年8月で、1903年6月27日に進水、1906年4月5日に就役しました。1907年4月には、軽巡洋艦「ブレーメン」と共にチェサピーク湾での式典に参加し、他国の艦艇とも共演しました。1908年には大洋艦隊の偵察隊第2グループに所属し、ヤコブソン少将の旗艦に任命されました。しかし、1911年に一度退役しました。

第一次世界大戦への再就役

第一次世界大戦が勃発すると、ローンは再び就役し、その時点で第3偵察群の旗艦として活動。1914年11月3日にはヤーマス砲撃作戦にも参加しました。特に、1914年12月には、スカボロー・ハートリプール・ウィットビー砲撃において重要な役割を果たし、同僚の装甲巡洋艦「プリンツ・ハインリヒ」と共に大洋艦隊を護衛しました。作戦中にはイギリス軍とも接触し、無事に帰投することができました。

バルト海での活動

1915年4月からは、ローンはバルト海に移動し、いくつかの砲撃任務に従事しました。特に5月にはイギリス潜水艦「E9」に発見され、数本の魚雷を避ける場面もありました。また、1916年にはフィンランド湾沖で機雷敷設作戦に護衛艦として関与し、ロシア艦艇との交戦も経験しました。これらの活動の中で、ローンはその能力を証明しました。

戦後の変遷

戦争が終結する1916年以降、ローンはキールで練習艦として再利用されました。また、水上機母艦に改装する計画もありましたが、実現には至りませんでした。最終的に、1920年には除籍され、翌年には解体されました。

まとめ

ローンは第一次世界大戦を通じて多様な任務を担い、その活動は今でも多くの海軍史に記されています。戦後は静かな姿を見せつつも、艦艇の運命を全うしたのでした。

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