ローン・グリーン

ローン・グリーン：カナダが生んだ多才な俳優、歌手

1915年、カナダ・オンタリオ州オタワで生まれたローン・グリーンは、ロシアからのユダヤ系移民の靴職人の息子として誕生しました。若き日にクイーンズ大学で演劇を学びながら、学内ラジオ放送で才能を開花させます。卒業後はカナダ放送協会のブロードキャスターとしてキャリアをスタート。その落ち着いた語り口から「カナダの声」と称されるほどの人気ぶりでした。

ラジオでの成功をステップに、彼はドキュメンタリー映画のナレーターなどを経て、徐々に俳優としての道を歩み始めます。アメリカにも活動拠点を広げ、ブロードウェイや劇団の舞台に立つなど、活動の幅を広げていきました。1953年からはテレビドラマに出演し始め、カナダとアメリカの映画やテレビドラマで活躍するバイプレイヤーとして頭角を現します。

西部劇スターとしてのブレイクと多様なキャリア

ローン・グリーンのキャリアの転換期となったのは、1959年から放送開始された西部劇『ボナンザ』への出演でした。このドラマで主人公を演じた彼は、確かな演技力と存在感で高い評価を獲得し、1959年のゴールデングローブ賞テレビ部門最優秀男優賞にもノミネートされました。

『ボナンザ』での成功は、彼の知名度を飛躍的に高め、以降も数多くの映画やテレビドラマに引っ張りだこになります。1973年には、小松左京の小説を原作とする映画『日本沈没』（米国公開版）に出演するなど、国際的な舞台でも活躍しました。

歌手としての才能

俳優としての成功にとどまらず、ローン・グリーンは1960年代には歌手としても活動しました。1964年に発表したシングル「リンゴー」は、ビルボードHot 100で1位を獲得する大ヒットを記録し、彼の多才ぶりを改めて世に知らしめました。

晩年と死去

その後も精力的に活動を続けましたが、1987年9月11日、肺炎の合併症によりカリフォルニア州サンタモニカの自宅で72歳で亡くなりました。

作品リスト

彼の幅広いキャリアを物語るように、出演作品は多岐に渡ります。代表的な作品として、映画では『銀の盃』『日本沈没』（米国公開版）、『大地震』など。テレビドラマでは『ボナンザ』の他、『宇宙空母ギャラクティカ』、『ルーツ』など、数多くの作品に出演しました。また、アニメ映画『オズの魔法使い』（日米合作）では声優として参加しています。

まとめ

ローン・グリーンは、ラジオキャスターから始まり、俳優、歌手として幅広く活躍した、まさにカナダが生んだエンターテイナーでした。『ボナンザ』での活躍が広く知られていますが、そのキャリアはそれにとどまらず、多様なジャンルで活躍した彼の才能は、後世に長く記憶されるでしょう。彼の演技、歌声、そして語り口は、多くの人の心に深く刻まれていることでしょう。彼の功績は、カナダのみならず、ハリウッドの歴史にも大きな足跡を残しました。

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