ワイヤーロープ

ワイヤーロープ

ワイヤーロープは、金属の素線を撚り合わせたストランド（子綱）を、さらに撚り合わせて作られた金属製のロープです。

概要

ワイヤーロープの素線には、軟鋼線やピアノ線など、さまざまな硬さの金属線が使用されます。撚りの構成パターンは、素線を同心円状に撚り合わせたスパイラル型、ストランドを心綱の周りに撚り合わせたストランデッド型などがあります。さらに、ストランデッド型を撚り合わせて大径化したケーブルレイドロープと呼ばれるパターンも存在します。

歴史

現代のワイヤーロープは、1831年から1834年にかけて、ドイツの鉱山技師ヴィルヘルム・アルベルトによって発明されました。鉱山での採掘作業に使用するために開発され、従来の鎖や麻ロープよりも優れていることが証明されたため、急速に普及しました。

建設

撚りロープ

大規模な吊り橋では平行線ケーブルが使用されますが、比較的小規模な橋や支線鉄塔などでは、撚線ワイヤーロープが広く使用されています。

終端（エンド）処理

ワイヤーロープを切断した端部は、ほつれを防ぎ、安全性を確保するために処理が必要です。多くの場合、吊り下げフックなどと連結するためにループ状に加工され、ループ内側には摩耗防止用のシンブル（指ぬき）が取り付けられます。

アイスプライスまたはフランダースアイ

ループの基部の撚りを緩めて隙間を作り、先端をほどいたストランドを差し込んで一体化させる方法です。張力が加わるほど固定力が増す自緊作用がありますが、太いワイヤーロープや素線が太いものには適用できません。

ワイヤーロープクリップ

ボルト締めのクランプ金具で固定する方法です。現場での作業が容易ですが、耐久性はやや劣ります。

スエージターミネーション（かしめ）

スリーブやフェルールと呼ばれる筒状の金具にワイヤーを通し、圧着して固定する方法です。生産性が高く、固定力も強いですが、太いロープでは専用の機器が必要となり、主に工場で生産されます。

脚注

関連項目

ロープ
張力構造

外部リンク

ワイヤーロープストランドとケーブルの種類と構造
ワイヤーおよびファイバーロープに関する米国海軍の技術マニュアル
ワイヤーロープの近代史
ワイヤーロープ基礎知識 - 株式会社フジハラ

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