ワイルドカード (ゲーム)

ワイルドカード

『ワイルドカード』は、2001年にスクウェア（現スクウェア・エニックス）から発売されたワンダースワンカラー用RPGです。ゲームデザインは、サガシリーズで知られる河津秋敏氏が担当しました。

概要

本作最大の特徴は、シナリオ、フィールド、武器、バトル、魔法、スキル、行動といったRPGのあらゆる要素がカードで表現されている点です。9人の主人公から1人を選びますが、単に選択するのではなく、ゲーム開始時の質問への回答によって、プレイヤーに最適なキャラクターが選ばれます。

ゲームは、決まったシナリオをなぞるのではなく、街でシナリオを選択し、クリアしていく形式です。自由度の高い成長システムやシナリオ展開は、サガシリーズとの関連を想起させます。河津氏は、本作の経験から「マップがなくてもRPGは成立する」という考えに至り、後の『アンリミテッド:サガ』の開発に繋げました。

作曲を担当した伊藤賢治氏は、本作の後、スクウェアを退社し、フリーランスとして活躍しています。

ゲームの流れ

1. 主人公選択: 質問への回答に基づいて主人公が決定。
2. シナリオ選択: 街で情報収集し、シナリオカードを入手。
3. シナリオ実行: ターン制で行動。地形カードを選択し、ダンジョンなどを探索。危険度の高い地形ほど、モンスターや宝箱が出現しやすい。
4. 戦闘: フィールド画面がそのまま戦闘画面。敵の攻撃対象を選択可能。
5. リザルト: シナリオクリアまたは制限ターン終了で、キャラクターカードやパラメーターカードを取得。シナリオ中の行動に応じてボーナスポイントが加算。
6. 成長: 入手したカードをキャラクターに割り振り、強化。

ほとんどのシナリオは再挑戦可能。あえて失敗を繰り返すことで、キャラクターを強化することもできます。ただし、シナリオレベルが上がると難易度も上昇するため、キャラクターの成長が追い付かないとクリアが困難になる場合もあります。

複数のシナリオをクリアするとイベントが発生し、ステージが進行します。主人公を変えながら、物語はステージ7まで続きます。最終ステージの「最後の戦い」を特定の条件でクリアすることで、真のエンディングを迎えることができます。

システム

本作のシステムは、カードによって表現されている点が最大の特徴です。

ワイルドカード

いつでも使用可能な行動カードです。

前進: 地形カードを選択して移動。敵に阻止される場合あり。
見回す: 周囲を探索し、敵やアイテムを発見。
* アクション: 人に話しかけたり、アイテムを取得したり。

シナリオ中に手に入れたアイテムカードやパラメーターカードも「ワイルドカード」として扱われます。

キャラクターカード

各キャラクターが所有するカード。使用回数に制限があり、シナリオ終了時に回復します。

パラメーターカード

キャラクターの強さを表すカード。ライフ、パワー、ボディ、バランス、ハンド、ブレイン、チャーム、ラブ、マナの9種類があります。主人公選択時にも使用されます。

アイテムカード

装備品や消耗品などがあります。装備品は、複数所持していても最も効果の高いもののみが適用されます。

技カード

物理攻撃を行うカード。突剣、剣、斧、棍棒、素手、弓、槍の7種類があります。同じ系統の技を5種類全て入手すると、連携技が発動するようになります。

魔法カード

魔法攻撃を行うカード。炎、土、水、風、光、闇の6種類があります。複数の属性を合成した魔法も存在します。

スキルカード

探索などで使用するカード。トラップ解除やオープンロックなどが重要です。

モンスターカード

シナリオ中に出現するモンスター。スキル「よく調べる」でステータスを確認できます。

イベントカード

宝箱や落とし穴など、シナリオ中に発生するイベント。

シナリオカード

街で情報収集することで入手できるカード。モンスター討伐、アイテム入手、地形発見の3種類があります。

地形カード

探索を行う地形。トランジットと呼ばれる地形への道筋も存在します。

まとめ

『ワイルドカード』は、カードシステムを駆使したユニークなRPGです。自由度の高いゲームシステムや、奥深い育成要素は、多くのプレイヤーを魅了しました。サガシリーズファンはもちろん、新しいRPG体験を求めるプレイヤーにもおすすめです。

もう一度検索