ワイルド・ライフとは？意味をやさしく解説

『ワイルド・ライフ』の概要

『ワイルド・ライフ』（英語: Wild Life）は、ウイングスのデビューアルバムとして1971年に発表されました。このアルバムは、ビートルズ解散後にポール・マッカートニーが妻のリンダ・マッカートニーや元ムーディー・ブルースのデニー・レインと共に結成した新しいバンド、ウイングスの初めての作品です。

アルバム制作の背景

アルバムは、非常に短期間である2週間というスピードでレコーディングされました。マッカートニーはボブ・ディランが短期間で作品を仕上げることに感銘を受け、自身もそれに挑戦しようと決断しました。自身の思い出に触れながら、マッカートニーは「ビートルズの初期のアルバムも時間をかけていなかったと思ったし、ディランがそれで良いのならやってみようと思っていた」と述べています。

また、このレコーディング期間中にはリンダが妊娠しており、万が一彼女がセッションを中断したいと言った場合には、彼女の意向を尊重したといいます。しかし、リンダは多くの女性と同様に出産予定日の前まで仕事を続けていたため、セッションは続行されることとなりました。

音楽スタイルと評価

アルバムには全体に粗削りで自然な演奏が特徴であり、5曲は一発録りで録音されました。しかし、その結果は当時の批評家から否定的な評価を受けることもありました。一方、マッカートニーの元バンドメイトであるジョン・レノンは、ウイングスの動きに期待感を示し、「いいね。悪くないよ。あいつはいい方向に進んでいる」と称賛しました。

チャート成績

このアルバムはイギリスのアルバムチャートで最高11位を記録し、トップ10には入れませんでしたが、アメリカの「ビルボード」アルバムチャートでは2週連続で最高10位を獲得。さらに、「キャッシュボックス」誌では最高6位を記録しました。1972年度の年間ランキングでも73位に入賞し、アメリカでは50万枚以上の売上を達成しました。

収録曲

アルバムには多彩な収録曲があり、以下がそのリストです。

Side 1

- マンボ – Mumbo
- ビップ・バップ – Bip Bop
- ラヴ・イズ・ストレンジ – Love Is Strange
- ワイルド・ライフ – Wild Life

Side 2

- サム・ピープル・ネヴァー・ノウ – Some People Never Know
- アイ・アム・ユア・シンガー – I Am Your Singer
- ビップ・バップ・リンク – Bip Bop Link
- トゥモロウ – Tomorrow
- ディア・フレンド – Dear Friend

ボーナストラックとしては、1993年のコレクション盤には「アイルランドに平和を」や「メアリーの子羊」などが収録され、さらに2007年のiTunes版には新たなボーナストラックが加わりました。

演奏者

アルバムの演奏には、以下のメンバーが参加しています。

- ポール・マッカートニー – ベースギター、ギター、ピアノ、キーボード、パーカッション、ボーカル
- リンダ・マッカートニー – キーボード、ピアノ、パーカッション、ボーカル
- デニー・レイン – ギター、ベースギター、パーカッション、キーボード、ボーカル
- デニー・シーウェル – ドラムとパーカッション

『ワイルド・ライフ』は、新しい音楽の地平を開くための挑戦が詰まったアルバムであり、ウイングスの最初の一歩を印象付ける作品となったのです。

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