ワザオギ

ワザオギレーベル

設立と背景
ワザオギ（Wazaogi）は、2000年に設立された落語に特化したレーベルです。このレーベルは、株式会社アモンエンタープライズが運営しており、同社は1990年代後半から他の制作会社と共に落語会の企画や中継に取り組んできました。当時の音源市場は、著名な落語家の音源や古典落語の再販が大半を占めていたため、新作落語の流通は非常に限られていました。

そんな中、大友浩氏の提案を受けて「三遊亭円丈の新作をCDとして残す」というプロジェクトが始まりました。2001年8月には、最初のCD『三遊亭円丈落語コレクション1st』がリリースされ、大きな話題を呼びました。

展開と活動
初期のワザオギレーベルは「古典の時代は終わった」と掲げて新作落語のみを扱う姿勢を示しましたが、後には古典落語や新作落語の両方を取り扱う方針に変わっていきました。2005年11月には、国立演芸場での「第一回ワザオギ落語会」を皮切りに、以降も毎年DVDを発売し続けており、演芸業界で確固たる地位を確立しています。

2023年においては、落語会の開催と新たなCD作品のリリースが行われており、進化を続けています。特に、2023年11月には「入船亭扇辰5」が新たにリリースされました。しかし、同年にはCDの新規リリースも減少し、古い商品の入手が難しくなっているのが現状です。

ユニークな販売戦略
ワザオギの販売は、当初山野楽器（銀座本店）やミュージックテイト（新宿）など、限られた店舗でのみ行われていましたが、徐々に関西方面にも販路を広げました。ディストリビューターを介さず、店舗との直接販売を行っているため、レンタル店は取り扱っていません。

ジャケットデザインにも革新があり、従来の落語CDには見られないスタイリッシュなビジュアルやドキュメンタリー風の写真が採用されています。

今では著名な噺家が他のレーベルからCDをリリースすることもありますが、ワザオギは独占契約を結んでいないため、自由な活動が特徴です。また、若手演者を支援するために「ワザオギ・コレカラ」というサブレーベルも設立されています。

デジタル化と配信
現在、ワザオギとしてのCD音源や映像の公式配信は行われていないものの、一部CDのプロモーション映像が公式YouTubeチャンネルで公開されており、演芸業界での新たな取り組みとなっています。また、CD未収録の落語家の音源が、配信サイト「らくごのブンカ」を通じても提供されているのも特筆すべき点です。

代表的な作品リスト
ワザオギからリリースされた著名な作品には、三遊亭円丈による「円丈落語コレクション」シリーズや、柳亭市馬・柳家喬太郎の作品も含まれています。これらは、落語を愛する多くのファンに支持され、今日まで続いています。

レーベルの公式サイトやSNSを通じて、新情報やリリース情報が発表されているため、ファンは常に最新の情報を追いやすい状況が整っています。

まとめ
ワザオギは、落語界における新たな風を拭く存在として、制作と販売を一貫して行い独自の地位を確立しています。伝統を尊重しつつも新しい形式やスタイルの落語を提供し続ける非常に貴重なレーベルです。

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