ワシントン・オリンピックス

ワシントン・オリンピックスは、1871年から1872年という短期間のみ存在した、アメリカのプロ野球チームです。本拠地はワシントンD.C.にあり、この街で初めて結成されたプロ野球球団として、その名を知られています。

球団の歴史

1860年代、ワシントンD.C.には『ナショナル・ベースボール・クラブ』というアマチュアの強豪チームが存在していました。このチームはやがてプロ球団へと発展しますが、オリンピックスは、1871年にナショナル・アソシエーションが創設された際、首都ワシントンD.C.の代表として、いち早くリーグに加盟を果たしました。

チームは、かつて無敗を誇ったシンシナティ・レッドストッキングスの選手たちを迎え入れ、戦力を強化しました。特に、投手エイサ・ブレイナード、捕手ダグ・アリソン、三塁手フレッド・ウォーターマンらは、チームの中心選手として活躍しました。

1871年のシーズンは、15勝15敗という五分の成績を残しましたが、翌1872年に同じワシントンD.C.を本拠地とするナショナルズがリーグに加盟したことで、経営状況は悪化の一途をたどります。さらに、オリンピックスの控え投手だったビル・ステアーンズがナショナルズへ移籍したことで、オリンピックスの投手陣は、衰えが見え始めていたブレイナード一人という状況に陥ってしまいます。そのブレイナードも打ち込まれるようになり、チームはなかなか勝利を挙げることができませんでした。

結局、オリンピックスは1872年シーズンをわずか9試合戦っただけで解散してしまいます。また、同時期に存在したナショナルズも0勝11敗と全く勝てず、両チームは短命に終わりました。

主な選手と記録

ワシントン・オリンピックスに所属した主な選手と、球団の記録は以下の通りです。

エイサ・ブレイナード：野球における「エース」の語源になったとも言われる名投手。
フレッド・ウォーターマン：通算61安打
アンディ・レオナルド：通算30打点
エイサ・ブレイナード：通算14勝、通算22敗

関連チーム

ワシントン・ナショナルズ (1872年)
ワシントン・ブルーレッグス
* ワシントン・ナショナルズ (1875年)

ワシントン・オリンピックスは、その短い歴史の中で、ワシントンD.C.におけるプロ野球の黎明期を彩ったチームとして、記憶されています。

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