ワシントン・セネタース (1891-1899年)

ワシントン・セネタースの歴史

1891年から1899年にかけて、アメリカン・アソシエーションとナショナルリーグに所属していたワシントン・セネタースは、当時の野球界において重要な存在でした。シーズンごとに多くの選手が入れ替わる中、一部の選手は長年チームに貢献し続けました。

球団の設立と初期の課題

セネタースの歴史は1891年に始まり、当初は「ワシントン・ステイツメン」という名前でアメリカン・アソシエーションに加盟しました。この年は捕手のディーコン・マクガイアなど数人の選手が固定メンバーとして活躍したものの、他の選手は頻繁に入れ替わり、チームは試行錯誤の連続でした。また、ポール・ハインズやポップ・スナイダーといった有名選手も在籍していましたが、1891年が彼らにとっての最後のシーズンとなり、その後は現役を引退しています。

アメリカン・アソシエーションは1891年に解散し、セネタースはナショナルリーグに移行しました。この転換期にチーム名を「セネタース」に変更し、新たなスタートを切りましたが、当初は勝率が3割台と高い成績を収めることができませんでした。

成績の向上を求めて

1892年、チームはニューヨーク・ジャイアンツからジム・オルークを獲得し、再建を託しましたが、期待された効果は見られませんでした。前年の29勝26敗という成績を残したエース投手フランク・キレンをトレードに出した影響もあり、1892年の防御率は悪化し、最終的にリーグ最下位となりました。

翌1895年には監督がガス・シュメルツに交代し、少しずつチームの成績が改善されました。アル・マウルが控え投手として活躍し、最優秀防御率を記録するなど、明るい兆しを見せました。しかし、1897年には序盤に大きく負け越し、シュメルツはシーズン途中で交代を余儀なくされました。

衰退と解散

1898年には監督のトム・ブラウンが早期に交代し、チームは再び苦境に立たされました。特にシーズン終盤には14連敗を喫し、勝率は再度3割台にまで低下しました。結果として、セネタースは9年間の活動を経ても勝ち越したシーズンが一度もなく、1899年にはナショナルリーグの参加チーム削減により解散が決定しました。

主な選手と記録

セネタースには、以下のような選手が在籍していました。ディーコン・マクガイアは捕手として1781試合に出場し、通算打率は.278。ポップ・スナイダーは一塁手として活躍し、1882年にはシンシナティ・レッズをリーグ優勝に導きました。ウィン・マーサーは1894年から1899年の期間に132勝164敗を記録しました。

チームの記録としては、通算安打数990（ディーコン・マクガイア）、通算本塁打42（ビリー・ジョイス）、通算打点数502（ディーコン・マクガイア）、通算盗塁数172（キップ・セルバック）、通算勝利数95（ウィン・マーサー）、通算奪三振421（ウィン・マーサー）といった数字が残っています。

このように、ワシントン・セネタースの歴史は多くの試練とともに流れていきましたが、その存在感はその後の野球界に影響を与え続けています。

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