ポール・ハインズ

ポール・アロイシウス・ハインズの野球人生

ポール・アロイシウス・ハインズ（1855年3月1日 - 1935年7月10日）は、アメリカ合衆国バージニア州出身のプロ野球選手で、主に中堅手として活躍しました。右投げ右打ちの彼は、そのキャリアの中で多くの記録を打ち立て、特に1878年にはメジャーリーグ史上初めて打率、本塁打、打点で「打撃三冠」を達成したことが特筆されます。

キャリアの始まり

ハインズは、プロ選手になる前にワシントンD.C.のナショナル・ベースボール・クラブでジュニアチームに在籍しており、その後、1872年に17歳でプロリーグにデビューしました。当時のナショナル・アソシエーションに参加したクラブでは、徐々に名前を知られる存在となり、球団が解散した後にシカゴ・ホワイトストッキングス（現在のカブス）へ移籍しました。

シカゴ時代

シカゴ時代には、打撃成績が向上し、外野手としてのレギュラーを確保。その活躍により、1876年にはナショナルリーグが設立された初年度に、21本の二塁打を記録してリーグ最多となりました。このことからも、彼の打撃力の一端を垣間見ることができます。

プロビデンス・グレイズでの成功

1878年、ハインズはプロビデンス・グレイズに移籍し、ここでの8年間は彼のキャリアにおいて最も輝かしい時期となる。移籍初年度には、62試合に出場し、打率.358、50打点、4本塁打という成績を残して、いずれもリーグのトップに立ちました。1878年の彼の成績は、現代の基準で評価される「三冠王」として評価されるものであり、当時は本塁打数が少なかったために特に注目されることはありませんでした。

再度の受賞とリーグ優勝

翌1879年もハインズは打率.357を記録し、2年連続でリーグの首位打者としてその名を刻みました。在籍したプロビデンスでは、2度リーグ優勝を果たし、その存在感を強めました。しかし、1885年には球団が破綻し、その後はワシントン、インディアナ、ピッツバーグなどさまざまなチームを渡り歩きながらも、1891年までメジャーリーグで活躍し続けました。彼のプレーキャリアは1896年まで続き、その後はなかなか名が挙がることがなかった選手となりました。

認識された三重殺のエピソード

ハインズはまた、1878年5月8日の試合でのプレーが「無補殺三重殺」として知られることになりました。この試合では、無死二・三塁からボストンの打者が放ったライナーを好捕し、走者よりも先に三塁ベースに到達して二塁走者をアウトにするという驚異的なプレーが報告されています。しかし、近年の研究では、このプレーが現在の認識とは異なる解釈がなされており、彼の記録が必ずしもそのまま認められていないこともあります。

最後の年

ポール・ハインズは、1935年にメリーランド州ハイアッツビルで80歳でこの世を去りました。彼のキャリアは、当時の野球界の歴史に深く刻まれています。数少ない成功を収めた選手の一人として、彼の業績は今でも語り継がれています。

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