ワシントン・ナショナルズ (1875年)

1875年、アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.に、ワシントン・ナショナルズという名の球団が存在しました。1873年にブルーレッグスが消滅した後、再び結成されたチームは、新たな希望を胸にスタートを切りました。

前年にハートフォードで活躍していたビル・ステアーンズを呼び戻し、ホリー・ホリングスヘッドが監督兼任選手としてチームを率いることになりました。ホリングスヘッドは、過去にナショナルズやブルーレッグスにも参加しており、チームの中心人物として期待されました。しかし、チームの財政状況は依然として厳しく、運営は困難を極めました。

新加入の投手ビル・パークスは、チームで最多となる4勝を挙げましたが、チーム全体の打率は.193と低迷し、得点力不足は深刻でした。チームは開幕から11連敗を喫し、苦しい戦いが続きました。そして、同年7月のセントルイス遠征中に、ついに運営が破綻し、チームは解散という結末を迎えました。最後の対戦相手であったセントルイス・レッドストッキングスも、同時に解散するという悲劇に見舞われました。

遠征先の選手たちからは、「球団関係者が資金を持ち逃げした」という電報が打たれたという逸話が残っています。この出来事は、当時の球団運営の不安定さを物語るものであり、チームの解散に追い打ちをかけました。

主な選手

ビル・パークス：投手として1年のみプレー。チーム最多の4勝を記録。
アート・アリソン：通算最多安打24を記録。
ジョン・デイリー：通算最多打点13を記録。

主な球団記録

通算最多安打：24（アート・アリソン）
通算最多打点：13（ジョン・デイリー）

ワシントン・ナショナルズは、短命に終わった球団でしたが、その歴史はワシントンD.C.の野球史における一ページとして記憶されています。

関連項目

ワシントン・オリンピックス
ワシントン・ブルーレッグス
ワシントン・ナショナルズ (曖昧さ回避)

出典・外部リンク

* チーム成績(Baseball Reference)

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