ワシントン海軍軍縮条約での各国保有艦艇一覧

ワシントン海軍軍縮条約と各国艦艇の一覧

1921年11月から1922年2月にかけて、アメリカ合衆国のワシントンD.C.で開催された「ワシントン会議」では、艦艇の保有についての重要な合意がなされました。この会議では、アメリカ、イギリス、日本、フランス、イタリアの主要な海軍国が集まり、保有艦艇の制限について話し合われました。特に本条約では主力艦や航空母艦に関する具体的な規制が設定され、参加国の海軍力の均衡を図ることが目的とされました。

主力艦とは、航空母艦以外で基準排水量が10,000トンを超える軍艦や、口径が20.3cm以上の砲を装備した軍艦を指し、条約ではこれらの艦艇の保有数が制限されました。以下に、各国の主力艦および航空母艦の保有状況を具体的に示します。

アメリカ合衆国の艦艇

アメリカは、複数の艦級から成る主力艦を保有していました。具体的には、フロリダ級、ワイオミング級、ニューヨーク級、ネバダ級などがあり、航空母艦ではラングレーやレキシントン級などが含まれました。特に、レキシントン級の艦艇は未成巡洋戦艦を改装したものであり、独特な役割を果たしました。また、ワシントン級戦艦などの艦艇は建造中止となり、軍縮の影響を受けました。

日本の艦艇

日本では、金剛型、扶桑型、伊勢型、長門型といった主力艦が存在し、航空母艦には鳳翔や未成の天城がいます。天城は関東大震災の影響で大破し、修理が不可能となったため、当初の計画から外れることになりました。代わりに加賀が改装された例もあります。廃棄または建造中止となった艦艇には、加賀型や紀伊型、十三号型が含まれています。

イギリスの艦艇

イギリスは、アイアンデューク級やクイーン・エリザベス級の主力艦を保有しました。これに加えて、航空母艦としてフューリアスやカレイジャスなどがあり、巡洋戦艦からの改装を経た艦艇も存在しました。特にネルソン級に関しては、日本の陸奥の保有を認める代わりに新規建造が許可されたという背景があります。

フランスの艦艇

フランスは、クールベ級やプロヴァンス級の艦艇を保有しました。航空母艦としてはベアルンが存在し、当初の計画に基づいた艦艇の保有が認められました。しかし、条約締結直後には事故もあり、それが艦艇運用に影響を及ぼしました。

史的背景と意義

この条約の意義は、戦後の海軍力のバランスを図るだけでなく、各国間の軍縮に向けた重要な一歩であったという点にあります。特に、未発注艦艇の処遇や各国の艦艇の去就が話題となった本会議は、後の海軍戦略にも影響を与えることになります。

国々の艦艇保有状況は、時代の流れや国際関係の変化によって常に変わるものであり、本条約による制限は長期的に見て海軍戦略の在り方を再定義するきっかけとなりました。海軍軍縮の流れは、今後の国際情勢にも影響を与える要因となることは間違いありません。

このように、ワシントン海軍軍縮条約は、単に軍艦の数を制限するだけでなく、国際協力や平和の理念をも内包した重要な出来事であったのです。

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