ワッタース朝

ワッタース朝

ワッタース朝は、15世紀末にフェズを首都として現在のモロッコ地域を支配した王朝です。フェズ王国を統治しました。

歴史

1472年に成立しましたが、16世紀初頭にサアド朝がモロッコ南部で勢力を拡大し、ワッタース朝はモロッコ北部のみを支配することとなりました。その後、サアド朝との抗争が激化し、1554年にサアド朝によってモロッコの支配権を完全に奪われました。

ワッタース朝の成立は、マリーン朝の衰退とそれに伴う政治的混乱の時期と重なります。マリーン朝の弱体化に乗じて、ワッタース家出身の者が権力を掌握し、新たな王朝を開きました。しかし、その支配は安定せず、南からのサアド朝の圧力にさらされることになります。

サアド朝は、当初はモロッコ南部を拠点とする勢力でしたが、次第に北へと勢力を拡大し、ワッタース朝の支配領域を脅かしました。両王朝の間では、領土をめぐる争いが頻発し、最終的にはサアド朝が勝利を収め、ワッタース朝を滅ぼしました。

ワッタース朝の時代は、モロッコの歴史における過渡期であり、その後のサアド朝による統一国家の成立へとつながる重要な時期でした。

歴代君主

1472年 - 1504年：Abu Abd Allah al-Sheikh Muhammad ibn Yahya
1504年 - 1526年：Abu Abd Allah al-Burtuqali Muhammad ibn Muhammad
1526年 - 1526年：Abu al-Hasan Abu Hasan Ali ibn Muhammad
1526年 - 1545年：Abu al-Abbas Ahmad ibn Muhammad
1545年 - 1547年：Nasir ad-Din al-Qasri Muhammad ibn Ahmad
1547年 - 1549年：Abu al-Abbas Ahmad ibn Muhammad
* 1554年 - 1554年：Abu al-Hasan Abu Hasun Ali ibn Muhammad

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