ワリコー

ワリコー

ワリコーは、かつて日本興業銀行（興銀）および同行の業務を引き継いだみずほ銀行が発行していた割引金融債券です。正式名称は「割引みずほ銀行債券」といいます。

概要と歴史

この名称は、そのルーツである旧日本興業銀行発行の「割引興業債券」の略称として定着しました。ワリコーは1922年8月に発行が開始され、1957年4月からは一般向けの販売が始まり、長年にわたり親しまれました。しかし、日本の金融再編などを経て、2007年3月発行の後半債（通算950号）をもって新規販売を終了しました。

販売終了後、満期を迎えたワリコーの償還金は、契約に応じ、指定の定期預金または普通預金口座へ自動的に振り替えられる仕組みとなっています。

販売チャネル

ワリコーは、発行元の興銀の窓口に加え、かつて興銀と関係が深かった複数の証券会社でも販売されていました。主な証券会社としては、現在のみずほ証券の前身である新光証券や、現在のSMBC日興証券の前身である日興コーディアル証券（旧日興證券）、水戸証券、丸三証券、藍澤證券などが挙げられます。大和証券も販売網の一つでしたが、同行の主力融資団は異なりました。

商品特性

ワリコーは割引債であり、額面から利息分を差し引いた価格で購入し、満期時に額面を受け取る形式です。旧日本興業銀行が発行する他の金融債券と比較されることもありました。

ワリコーの重要な特徴は、同じ割引債である「ワリコーアルファ」と比べて一般的に高い利回りを提供したことです。その一方で、預金保険制度の対象外である点が大きな注意点でした。銀行預金とは異なり、発行元である銀行が破綻した場合に元本の保護を受けられないリスクが存在したため、この点は投資家自身が理解しておく必要がありました。

現在の状況

新規販売は終了していますが、既発債の償還手続きは現在も継続されています。2016年1月1日時点の情報では、日本興業銀行の事業を引き継いだ現在のみずほ銀行のうち、金融債を取り扱う一部店舗でワリコーの償還金を受け取ることが可能とされています。

ワリコーは、日本の金融史において多くの個人投資家に利用された歴史を持つ金融商品でした。

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