ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団

ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団（Orkiestra Filharmonii Narodowej w Warszawie）は、ポーランドの音楽シーンを代表するオーケストラの一つです。このオーケストラは、1901年に設立され、ポーランドの貴族や財界人の支援を受けて活動を開始しました。最初の音楽監督にはエミール・ムウィナルスキが就任し、初回公演には名ピアニストのイグナツィ・パデレフスキが参加しました。

オーケストラの設立当初から、数多くの著名な作曲家や演奏家との共演が行われてきました。特に、サラサーテ、カザルス、ハイフェッツといったヴィルトゥオーソたちが登場し、グリーグやラフマニノフなどの名曲を演奏する機会がありました。ワルシャワフィルは、ショパン国際ピアノコンクールの主催側としても名を馳せ、さらにヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールやポーランド芸術国際フェスティバルにも参加し、その存在感を示してきました。

しかし、第二次世界大戦が勃発することにより、一時的に音楽活動は中断されてしまいました。この時期、オーケストラは団員の半数を失い、また、演奏会のための美しい会場も破壊されてしまいました。1947年から1948年には定期公演が再開されるものの、1965年に新しい演奏会場が完成し、「国立管弦楽団」という称号を得ました。

1950年代の後半に入ると、指揮者ヴィトルド・ロヴィツキのリーダーシップのもとで、ワルシャワフィルは新旧の音楽を混ぜ合わせたプログラムを展開しました。特にショパンやグレツキ、ルトスワフスキの作品を演奏し、ポーランドの音楽文化を広める一環として、国外でも演奏活動を行っています。現代音楽に対するアプローチも特徴的で、現代ポーランドの作品を多数取り入れ、団員自らが積極的にその演奏を行っています。

現在、アンドレイ・ボレイコが音楽監督を務め、2024年からはクシシュトフ・ウルバンスキがその役割を引き継ぎます。歴代の指揮者にはアーノルド・レズラーやスタニスワフ・スクロヴァチェフスキ、スタニスワフ・ヴィスウォツキなどが名を連ねており、オーケストラの伝統と深い音楽的知識が受け継がれています。

また、ワルシャワフィルは映画音楽やテレビドラマ、アニメーション、ゲーム音楽の演奏でも広く知られています。1981年の「北の国から」や2000年の「バトル・ロワイアル」、さらに様々なアニメ作品に楽曲を提供し、多くの人々に親しまれています。

このように、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団は、長い歴史と豊かな音楽的遺産を持ち続けながら、ポーランド国内外で文化的な役割を果たし続けています。多様なレパートリーを有するこのオーケストラは、今後もその活動を通じて世界の音楽シーンに寄与していくことでしょう。

もう一度検索