ワルテル・ゼンガ

ワルテル・ゼンガ

ワルテル・ゼンガ（Walter Zenga）は、1960年4月28日生まれのイタリア・ロンバルディア州ミラノ出身の元サッカー選手であり、現在はサッカー指導者として名を知られています。現役時代のポジションはゴールキーパーで、特にインテルナツィオナーレ・ミラノにおいてのプレーが有名です。

クラブ経歴

ゼンガは、9歳の時に友人に連れられ、サッカーを始めました。彼は1971年にインテルの下部組織に加入し、その後様々なクラブで経験を積みました。1978年にはサレルニターナ、1979年にはサヴォーナ、1980年から1982年まではサンベネデッテーゼにレンタルされ、そこでの活躍が評価され、1982-83シーズンからインテルに復帰します。ただし、そのシーズンはイタリア代表のゴールキーパーであるイヴァノ・ボルドンの控えでした。

1983-84シーズンには、サンプドリア戦でセリエAデビューを果たすと、その後は不動の守護神として君臨しました。彼のプレースタイルは支配的で、サポーターからは「スパイダーマン」と呼ばれるほどの人気を博しました。特に1988-89シーズンには、インテルの待望のスクデット（リーグ優勝）に貢献し、1990-91シーズンと1993-94シーズンにはUEFAカップを2度制覇しました。ゼンガはインテルで471試合に出場しており、2018年には同クラブの殿堂入りを果たしました。

その後、1994-95シーズンにはサンプドリアに移籍しますが、1995-96シーズンでは十字靱帯断裂という大怪我に見舞われ、ほとんど試合に出場できませんでした。1996-97シーズンにはセリエBのパドヴァでプレーし、イタリアを離れました。1997年に新たに設立されたメジャーリーグサッカー（MLS）のニューイングランド・レボリューションに加入し、そこで2度のMLSオールスター選出を果たします。1999年に現役を引退しました。

代表歴

イタリア代表としてゼンガは58試合に出場し、1986年のメキシコワールドカップでは第三ゴールキーパーとして出場機会はありませんでした。1988年の欧州選手権では、正GKの座を確保し、チームのベスト4進出に大きく貢献。1990年のイタリアワールドカップでも3位入賞に寄与し、期間中は517分間の連続無失点記録を達成しました。ただし、準決勝ではアルゼンチンとの試合でミスからゴールを許し、PK戦に敗れました。その後、1992年6月4日のアイルランド戦を最後に代表からの招集は途絶えました。

指導者としてのキャリア

指導者としては、2015年にサンプドリアの監督に就任し、2016年にはウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC、2017年にはFCクロトーネの監督を務めました。

その他の情報

ゼンガは、ユヴェントスのGKであったステファノ・タッコーニとのライバル関係が注目されていますが、彼はこれを「メディアが作り出したもの」と一蹴しています。

主なタイトル

選手時代

• - インテルナツィオナーレ・ミラノ

- セリエA: 1回（1988-89）
- スーペルコッパ・イタリアーナ: 1回（1989）
- UEFAカップ: 2回（1990-91、1993-94）

• - 個人

- セリエA年間最優秀選手賞: 1回（1987）
- IFFHS選定世界最優秀GK賞: 3回（1989,1990,1991）
- 欧州最優秀ゴールキーパー賞: 1回（1990）
- MLS月間最優秀選手賞: 1回（1997）
- インテル・ミラノ殿堂: 2018

指導者時代

• - FCステアウア・ブカレスト

- リーガ1: 1回（2004-05）

• - レッドスター・ベオグラード

- プルヴァ・サヴェズナ・リーガ: 1回（2005-06）
- セルビア・モンテネグロカップ: 1回（2005-06）

栄誉

• - イタリア共和国功労勲章ウッフィチャーレ: 1991

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