ワンアジアツアー

ワンアジアツアー：アジアのプロゴルフ界における立ち位置と変遷

ワンアジアツアーは、アジアおよびオセアニア地域を対象としたプロゴルフツアー組織です。その設立には、アジアのゴルフ界特有の事情と、選手たちの複雑な思惑が絡み合っています。

アジアサーキットからアジアンツアーへ

1950年代から存在した「アジアサーキット」は、日本プロゴルフツアー（JGTO）が確立される以前、極東・東南アジア諸国で多くのプロゴルファーが腕を競う場でした。しかし、欧米選手の参加が増加するにつれ、アジア太平洋ゴルフ連盟は自国選手の出場機会減少を懸念し、1990年代に「アジアプロゴルフツアー」（APGA）を企画しました。

しかし、APGAの運営方針を巡り、選手たちは不満を募らせます。プロモーター主導の運営に対し、選手主体のツアーを求める声が高まり、2003年に「アジアンツアー」が発足しました。

ワンアジアツアーの発足と対立

APGAを運営していたプロモーターは、中国、韓国、オーストラリアなどを巻き込み、2006年に「ワンアジアツアー」を立ち上げました。賞金やテレビ中継の充実を図ったものの、そのしわ寄せは選手に及び、アジアンツアーからの出場停止や罰金などの制裁措置が取られる事態となりました。多くの選手が、ワンアジアツアーへの参加とアジアンツアーへの参加可否の間で板挟みになるという状況が生じました。

JGTOの立場と今後の展望

JGTOは、選手が安心して参加できる環境を重視し、中立的な立場を維持しています。出場停止などの不安なく試合に出場できる機会を提供することを目指し、「アジアンツアー」「ワンアジアツアー」との共同主催大会などを通じて協力関係を築いています。

主な大会

ボルボ中国オープン（E）
GSカルテックスメキュンオープン（K）
韓国オープン（K）
エミレーツ・オーストラリアン・オープン(A)

※E=欧州ツアー、K=韓国ツアー、A=オーストラレーシアPGAツアーとの共催


ワンアジアツアーは、アジアのゴルフ界において独自の地位を築いていますが、アジアンツアーとの関係や選手の立場など、解決すべき課題も抱えています。JGTOをはじめとする関係各団体の協力により、アジアのゴルフ界全体の発展に貢献することが期待されます。

参考情報

トーナメントへようこそ 選手も困惑…アジアに存在する２つのゴルフツアー
ワンアジアツアー公式サイト

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