TOYOTA presents・ワンステップ!:地域を繋ぐ、若者たちの挑戦
2008年7月から
2010年3月まで、TBS系列で放送された『TOYOTA presents・ワンステップ!』は、社会貢献を志す若者たちが、過疎化や人手不足に悩む地域へ赴き、
ボランティア活動を行う様子を追った
ドキュメンタリー番組です。
番組では、一般公募で選ばれた5名程度の若者グループが、離島や
限界集落などへ1週間程度の期間滞在。地域住民と交流しながら、農業支援、高齢者介護、家屋の修繕など、多様な
ボランティア活動に携わりました。出演者は、専門性の高いスキルを持つ者もおり、美容師、大工、パティシエなど様々な分野の人材が参加していました。
単なる
ボランティア活動の記録にとどまらず、番組では参加者たちの心情の変化や、活動を通して明らかになった地域社会の課題なども丁寧に描かれていました。当初の予定とは異なる新たな問題を発見し、それに取り組むチームもあったり、活動を通して参加者自身が成長していく様子も視聴者に感動を与えました。
番組は、全国41か所を舞台に制作され、過疎化や人手不足といった日本の地方社会が抱える問題を浮き彫りにしました。参加者たちは、自分の時間や能力の範囲内で活動を行い、無報酬での参加でしたが、交通費や食費などは番組側が負担しました。
番組のナビゲーターを務めたのは、
山口智充さんと
佐藤隆太さん。彼らの軽妙な進行と
木村匡也さんのナレーションが、番組全体を心地よく彩っていました。特に
佐藤隆太さんにとって、この番組は久しぶりのレギュラー番組出演となり、注目を集めました。
番組には、著名な料理人の川越達也さんも出演。島を訪れ、地域住民に料理を振る舞うなど、番組に華を添えました。
高い評価も得ており、『ワンステップ!』は、2009年にはATP賞テレビグランプリ年間優秀賞、日本賞シリーズ番組部門優秀賞を受賞。その高いクオリティと社会的な意義が認められました。
しかし、スポンサーの都合により、
2010年3月に番組は終了。後番組はしばらく放送されず、その後『地球同時多発情報SHOW 革命×テレビ』へとバトンタッチされました。番組終了後も、
トヨタ自動車は『情報7days ニュースキャスター』の放送時間を拡大するなど、社会貢献への姿勢を示し続けました。
『ワンステップ!』は、単なる
ボランティア番組ではなく、「今、自分に何ができるのか?」と自問自答し、社会貢献を目指した人々の姿を丁寧に描いた、感動と学びに満ちた番組でした。参加者たちの熱意、地域住民の温かさ、そして番組スタッフの真摯な姿勢が一体となり、多くの視聴者の心を揺さぶった、忘れがたい番組として記憶されています。
主なスタッフ
構成:樋口卓治、今村久仁人、柏木克紀、水野宗徳
ナレーション:
木村匡也
プロデューサー:原島雅之、別部時彦、山崎秀明、荒牧克久、池田睦也、大木一史
音楽協力:
日音
制作著作:TBS
受賞歴
ATP賞テレビグランプリ 年間優秀賞 (2009年)
* 日本賞 シリーズ番組部門優秀賞