ワンセグ2サービス

ワンセグ2サービスとは

ワンセグ2サービスは、地上デジタル放送で使われる13のセグメントのうち、1つ（ワンセグ）を利用した放送サービスを拡張したものです。このサービスでは、MPEG2のストリームレベルで統計多重化を行い、2つの番組を同時に放送することを可能にしています。画質や音質に違いはなく、各番組が独立した番組情報やデータ放送を持つことができます。

対応・非対応機種

ワンセグ2サービスは、対応している携帯電話や移動体端末で視聴できます。しかし、すべての機種が対応しているわけではないため、利用する際にはお使いの端末が対応しているか確認が必要です。

各局の取り組み

TOKYO MXの場合

TOKYO MXは、2006年7月のデジタル放送設備本格稼働以降、マルチチャンネル編成に積極的に取り組んできました。当初はメインチャンネル（S1、091ch）で番組を放送しつつ、サブチャンネル（S2、092ch）で『東京シティ競馬中継』などの番組を放送していました。しかし、ワンセグではS1の番組しか視聴できないため、S2の番組を見たい視聴者や、番組が途切れることで影響を受けるスポンサーからの要望に応える形で、ワンセグ2の開発が進められました。

2008年6月23日、日本初のテレビジョン放送局としてワンセグ2の正式サービスを開始しました。各チャンネルは「MXワンセグ1」「MXワンセグ2」と呼ばれ、機種によっては691ch/692chまたは9-1ch/9-2chと表示されます。放送内容はフルセグ放送のS2と全く同じで、番組情報やEPG（一部機種のみ対応）も共有しています。データ放送は基本的にワンセグ1と同様ですが、特定の番組では専用のものが提供されます。

フルセグ放送でS2がS1と同じ番組を放送している場合は、ワンセグも同様に動作します。「MXワンセグ2」のサービス自体は消滅せず、機種によっては選局可能またはスキップされる場合があります。2014年4月以降、フルセグ放送でも終日マルチチャンネル編成（S1：HD、S2：SD）を行うようになり、現在のワンセグ2では終日フルセグのS2と同じ内容が放送されています。

主な番組

以下に示す番組は、マルチ編成（S2）とワンセグ2で共通して放送されるものです。

S2 (092) 限定番組
MXショッピング
ストックボイス・東京マーケットワイド
東京シティ競馬中継
S1番組 (091) の再放送
東京都知事定例会見
ハワイアンLIVE in BIRDLAND
ヒーリングタイム&ヘッドラインニュース

南海放送の場合

南海放送は、2019年10月22日に民放5大系列のテレビ局として初めてワンセグ2サービスを開始しました。技術はTOKYO MXと同様です。ワンセグの642chでは、平時は「ウィットチャンネル」のサイマル放送を実施しています。また、災害時にはテレビやラジオに先行して緊急情報を発信する予定で、自治体と防災協定を締結しています。

奈良テレビの場合

奈良テレビ放送は、「ならセグ」の名称でワンセグ2サービスを実施していました。TOKYO MXと同じ技術を使用し、ワンセグで691chと692chのマルチチャンネル編成を行っていました。リモコンキーIDが同じ「9」のTOKYO MXと同様にマルチチャンネル編成を行い、一部時間帯で独自番組やフルセグ放送との時差編成を実施。ワンセグ1chがフルセグと同内容の放送、ワンセグ2chが独自編成「ならセグ」となっていました。「MXワンセグ1」「MXワンセグ2」は共通編成の時間が多いのに対し、「ならセグ」は平日夕方の『ゆうドキッ!』や土日夕方の『TVNニュース』などの一部番組を除き、完全に独立した編成をしていました。

「ならセグ」（S2、692ch）では、『わんせぐのうた』などの音楽番組や、奈良の風景を紹介する『映像なら百景』などをほぼループ放送していました。チャンネル番号の表記は機種により異なりますが、691ch/692chまたは9-1ch/9-2chと表示されることが多く、S1は通常のデジタルフルセグ放送のサイマル放送でした。

原則として、午前7時から翌日午前1時30分の間、ワンセグマルチチャンネル編成の2チャンネル（奈良県北部と周辺地域）で放送されていました。ただし、『ゆうドキッ!』や週末のTVNニュース・夕刊版などはフルセグ同時放送でした。

2016年3月31日をもって、「ならセグ」（S2、692ch）は終了しました。

ならセグの独自番組例

算数教室
漢字教室
わんせぐのうた
映像なら百景
千客万来!ならCoCo
全国高校野球選手権奈良大会中継

「ならセグ」の問題点

「ならセグ」開始当初は、メインチャンネルである691chを独自放送のチャンネルとし、地デジ・アナログのサイマル放送をサブチャンネルで放送していました。そのため、サブチャンネルを視聴できない機種では奈良テレビの番組の大半が視聴できませんでした。この問題は2013年4月に691chをサイマル放送、692chを独自放送に変更することで解決しました。

また、「ならセグ」のレギュラー放送は、ミニ番組や再放送、固定テレビ向けに放送された番組の再編集が中心で、番組表も新聞には掲載されておらず、公式サイトで確認する必要がありました。

さらに、奈良テレビの地デジ中継局が奈良市や生駒市など北部地域に偏っていたため、南部地域では利用が難しいという問題もありました。

NHKワンセグ2との名称重複

2009年2月18日にNHKが『NHKワンセグ2』を発表しましたが、TOKYO MXは2008年6月に本サービスを開始していました。MX側はワンセグ2の商標登録をしていなかったため、名称が同じでありながらサービスの異なる「ワンセグ2」が存在することとなりました。

脚注

ワンセグ2サービスは、放送局によって異なる独自性を持っています。視聴する際は、各放送局の公式サイトや視聴ガイドを参考にしてください。

外部リンク

ワンセグ視聴ガイド | TOKYO MX
ワンセグ視聴ガイド | RNB 南海放送
ワンセグ2サービス ならセグ | 奈良テレビ放送（TVN）

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