南海放送

南海放送株式会社

南海放送株式会社（英: Nankai Broadcasting Company, Ltd.）は、愛媛県を主な放送対象地域として、中波（AMラジオ）とテレビ放送事業を両立させている特定地上基幹放送事業者です。その略称はRNBで、これは開局当時の名称「Radio Nankai Broadcasting」から取られています。

概要

松山地区のラジオ局のコールサインはJOAF（1116 kHz）で、テレビ局はJOAF-DTV（デジタル：20ch、リモコンキーID：4）です。なお、地域毎に異なるプログラムを放送していた過去から、ラジオには多様なコールサインが存在します。社名の「南海」は、同社の放送エリアを意識したものであって、南海電気鉄道との関連はありません。系列の新聞媒体は愛媛新聞で、ニュース名はラジオが「愛媛新聞ニュース」、テレビが「なんかいNEWS」となっています。テレビは日本テレビ系列に属し、ラジオはJRN系列とNRN系列のクロスネットを実施しています。

プログラムと制作

南海放送は多くの自社制作番組を放送し、PRのために伊予鉄バスの広告ラッピングも行うなど、地域貢献にも力を入れています。プロ野球のナイターシーズンには、『RNBドリームナイター』としてプロ野球中継を行っています。さらに、2006年からはマスコットキャラクター「ウィット」が南海放送の顔として知られています。その名前は「ウィット」に由来し、「なんかい」は伊予弁の「なんですか？」から影響を受けています。

同社はアニメの放送にも力を入れており、特に全日・深夜アニメにおいて最も放送実績が多いとされています。また、愛媛FCのホームゲームの録画中継や、FC今治の試合も放送され、地域スポーツの発信にも積極的です。平日のローカルニュースは1986年から17時台の開始となり、意欲的な構成がなされています。

技術革新と受賞歴

ラジオのマルチメディア化においては、全国初のAMラジオのCATVサイマル放送や、ローカル局初の動画付きインターネットラジオの導入、さらにFM補完中継局の設置へと進展しており、県内唯一のラテ兼営局としての地位を築き続けています。日本民間放送連盟賞やギャラクシー賞を多数受賞する実績も持っており、毎年行われる番組審議会において、優秀な番組が選定される制度を設けています。

地域密着型のキャッチコピー

2017年から採用されているキャッチコピー「ゆめモグ 南海放送」は、愛媛県に根ざした放送局としての意識を表しており、2020年以降は「私たちは、愛媛主義」が加えられ、両者が併用されています。コールサインの観点でも、愛媛県内の民放で唯一「A」を含む点でも特異性を持っています。開局以来社名変更は行われておらず、その安定性も特徴的です。

視聴率と将来的な展望

2023年時点での視聴率は、個人及び世帯全体で15年連続の首位を獲得するなど、地域の主要な放送局としての地位を確立しています。特にプライムタイムは5年ぶりの首位を取るなど、大きな成果を上げています。今後はAMラジオのFMへの転換を見据えた実証実験が行われ、2024年には特定の地域でAM放送の停波を実施する計画があります。

本社及び支社

本社は松山市本町に位置し、支社は愛媛県内の複数の地域に分散して設けられています。また、東京、大阪、高松にも支社があり、広域な取材体制を築いています。

南海放送は地域社会に密着した放送事業を展開しつつ、視聴者のニーズに応える柔軟な対応を続けています。

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