ワンダー 君は太陽

映画『ワンダー 君は太陽』解説

『ワンダー 君は太陽』（Wonder）は、R・J・パラシオの小説『ワンダー』を原作とした、2017年公開のアメリカ映画です。スティーブン・チョボスキーが監督を務め、ジュリア・ロバーツが主演を務めました。トリーチャーコリンズ症候群により顔が変形している少年、オーガスト（オギー）・プルマンが、小学校に通い始め、周囲との関わりを通して成長していく姿を描いています。

あらすじ

オギーは、生まれつきの病気により顔が変形しており、幼い頃から入退院を繰り返していました。しかし、両親の愛情に包まれて育ち、自宅学習で知識を身につけていました。10歳になったオギーは、初めて学校に通うことになります。最初は、その容姿からクラスメートたちに好奇の目で見られ、いじめを受けることもありました。しかし、持ち前の明るさと優しさで、徐々に周囲との距離を縮めていきます。家族や友人との絆を深めながら、オギーは困難を乗り越え、成長していきます。そして、周りの人々もまた、オギーとの交流を通して、外見ではなく内面の美しさこそが大切であることに気づいていくのです。

キャスト

オーガスト（オギー）・プルマン：ジェイコブ・トレンブレイ
イザベル・プルマン：ジュリア・ロバーツ
ネート・プルマン：オーウェン・ウィルソン
オリヴィア（ヴィア）・プルマン：イザベラ・ヴィドヴィッチ
ジャック・ウィル：ノア・ジュプ

製作の背景

原作は、ナタリー・マーチャントの楽曲『Wonder』からインスピレーションを受けて執筆されました。映画化にあたっては、ライオンズゲートがマンデヴィル・フィルムズと共同で企画を進め、脚本家や監督の交代を経て、スティーブン・チョボスキーが監督に就任しました。キャストには、実力派俳優が集結し、感動的な物語を彩っています。

公開と評価

当初の公開予定から延期されたものの、2017年11月に全米で公開されると、批評家や観客から高い評価を受けました。特に、ジェイコブ・トレンブレイの演技は絶賛され、映画全体の温かい雰囲気が多くの人々の心を捉えました。ただし、障害当事者からは、「感動ポルノ」という批判も上がっています。

Rotten Tomatoesでは85%の支持率を獲得し、「上質な演技と愛嬌に裏打ちされたドラマは観客の心の琴線に触れる」と評価されています。また、第90回アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされました。

テーマ

本作は、外見の違いを超えて、内面の美しさを見出すことの大切さを訴えています。また、いじめや差別といった社会的な問題にも触れながら、家族や友人との絆、自己受容といった普遍的なテーマを描いています。困難に立ち向かい、成長していくオギーの姿は、観る人に勇気と希望を与えてくれます。

その他

映画のサウンドトラックには、原作に影響を与えたナタリー・マーチャントの楽曲『Wonder』が収録されています。

関連情報

公式ウェブサイト（英語）
公式ウェブサイト（日本語）
allcinema
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