ワンダーウーマン (映画)

映画『ワンダーウーマン』（2017）詳細解説

『ワンダーウーマン』（原題: Wonder Woman）は、DCコミックスの同名スーパーヒーローをベースにした、2017年公開のアメリカのスーパーヒーロー映画です。監督はパティ・ジェンキンス、脚本はアラン・ハインバーグが担当し、ガル・ガドット、クリス・パイン、ロビン・ライトなどが出演しています。「DCエクステンデッド・ユニバース」の4作目であり、「ワンダーウーマン」シリーズの1作目として制作されました。

概要

本作は、映画『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』で初登場したワンダーウーマン、ダイアナの第一次世界大戦中の活躍を描いています。当初、監督はミシェル・マクラーレンが予定されていましたが、創作上の意見の相違により降板。その後、パティ・ジェンキンスが監督に選ばれました。これにより、アメリカン・コミック原作の映画としては初めて女性が監督を務めることとなり、大きな話題を呼びました。

世界各国で高い評価を受け、初週の興行収入は1億50万ドル（約111億円）、累計では全米とそれ以外の上映国で各4億ドル以上を記録する大ヒットとなりました。特に、女性監督作品および女性が主役のアクション映画として、初週・累計収入ともに歴代1位となったことは特筆に値します。

主演のガル・ガドット、監督のパティ・ジェンキンスは続投し、続編となる『ワンダーウーマン1984』が後に公開されています。

あらすじ

女性だけが住む島、セミッシラで育ったアマゾン族の王女ダイアナは、幼い頃から戦士になることを夢見ていました。母であるヒッポリタ女王は、ダイアナの身を案じ戦い方を学ぶことを禁じていましたが、妹であり史上最強の将軍と称されるアンティオペの説得により、ダイアナは過酷な修行を重ね、アンティオペに匹敵するほどの強さを身につけます。

ある日、成長したダイアナは「外の世界」から偶然セミッシラにたどり着き、海岸で墜落事故を起こしたスティーブ・トレバーを救出します。トレバーから、ドクター・ポイズンがマスタードガスの新兵器を開発していることを知ったダイアナは、「外の世界」の悲惨さに衝撃を受けます。戦いを引き起こしている首謀者、ルーデンドルフ総監こそが戦いの神アレスだと確信したダイアナは、トレバーと共に戦争を終わらせるためロンドンへと旅立ちます。

「外の世界」の文化に戸惑いながらも、ダイアナはスティーブが集めた仲間たちの協力を得て、戦場の最前線や要人の祝賀会へと赴き、ルーデンドルフを倒すことに成功します。しかし、ルーデンドルフを倒しても戦争は終結せず、ダイアナは現実に打ちのめされます。その時、パトリック卿に成り代わっていたアレスが姿を現し、戦争こそ人間の本性だと説き、人間を一掃して世界を再創造するようダイアナに迫ります。人間の「悪」に失望しかけていたダイアナでしたが、トレバーとの会話を思い出し、人間の「善」の部分を信じることを選びます。人間の愚かさを受け入れ、与えられた力を守るために使う決意をしたダイアナは、真の力を解放しアレスとの戦いに終止符を打ちます。そして、ロンドンで休戦協定が締結され、戦争は終わりを迎えます。

現代、ダイアナはブルース・ウェインから送られた当時の写真を眺めながら、トレバーとの約束を再確認するのでした。

キャスト

ダイアナ / ワンダーウーマン: ガル・ガドット（日本語吹替: 甲斐田裕子）
スティーブ・トレバー: クリス・パイン（日本語吹替: 小野大輔）
アンティオペ将軍: ロビン・ライト（日本語吹替: 深見梨加）
エーリヒ・ルーデンドルフ総監: ダニー・ヒューストン（日本語吹替: 菅生隆之）
パトリック・モーガン卿: デヴィッド・シューリス（日本語吹替: 岩崎ひろし）
ヒッポリタ女王: コニー・ニールセン（日本語吹替: 榊原良子）
イザベル・マル博士 / ドクター・ポイズン: エレナ・アナヤ（日本語吹替: よのひかり）
エッタ・キャンディ: ルーシー・デイヴィス（日本語吹替: 高橋里枝）
アレス: ギリシア神話の軍神

評価

『ワンダーウーマン』は、多くの専門家やメディアから賞賛を受けました。特に、女性が監督したスーパーヒーロー映画としての意義や、ガル・ガドットの演じるワンダーウーマンの魅力が高く評価されています。一方で、第三幕の戦闘シーンや上映時間の長さ、悪役の描写などについては、批判的な意見も見られました。

受賞

2017年 第23回放送映画批評家協会賞 アクション映画賞
* 2017年 第23回放送映画批評家協会賞 SF/ホラー映画賞

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