ワンダードロップ

ワンダードロップ (WONDER DROP)

「ワンダードロップ」は、東京都文京区の遊園地「東京ドームシティ アトラクションズ」内に位置する、水の流れを活用したライド型アトラクションです。特に、「ラクーア」と呼ばれるエリアに設けられており、水の飛沫を伴うスリリングかつ爽快な体験を提供します。

体験の流れと特徴

このアトラクションでは、ゲストは専用のボートに乗り込みます。乗車すると、まずコンベア装置によってボートはゆっくりと高所へと運び上げられます。頂上に到達すると、ボートは円形のターンテーブルの上で一時停止し、周囲をゆっくりと回転します。この間、ゲストは異なる角度から景色を眺めることができ、これから始まるクライマックスへの期待感が高まります。

回転を終えた後、ボートは穏やかな水路を短い距離進みます。この区間を過ぎると、いよいよアトラクション最大のハイライトである急降下セクションです。約13メートルの高さから、水面に向かって一気に滑り降ります。この瞬間、ボートは最高時速50キロメートルに達し、盛大な水しぶきを巻き上げながら着水します。この大量の水しぶきを浴びることが、「ワンダードロップ」の醍醐味であり、日中の暑さを忘れさせるほどの清涼感と爽快感をもたらします。

急降下して水路に戻った後は、園内にある美しいメリーゴーランド「ヴィーナスラグーン」の構造物の下を通過します。異なるアトラクションの景観を間近に見ながら進むという、パークならではのユニークな体験も含まれています。

濡れることへの対応

急降下時の水しぶきは非常に大きいため、ボートに乗るゲストはほぼ確実に濡れます。パークでは、アトラクション付近にて専用のレインコートが販売されており、濡れることを気にせずにアトラクションの爽快感を最大限に楽しみたいゲストに利用が推奨されています。

アトラクション開発の経緯

「ワンダードロップ」は、東京ドームシティアトラクションズの新たなコンセプトエリアとして開発された「ラクーア」の開業に合わせて計画されました。当時の東京ドームは、新しい施設を作るにあたり、主に25歳から35歳程度の若い世代をメインターゲットとしつつ、事業性を考慮してより幅広い年齢層が楽しめるような施設を目指していました。この構想のもと、「水」をテーマとした都市型のオアシス空間を創出する計画が具体化し、その一環として水流を利用するライド型アトラクションの導入が検討されました。

「ラクーア」全体のコンセプトとして「リフレッシュ」が掲げられていたこと、そしてパーク内には既に絶叫マシンであるジェットコースターが導入される予定だったことから、ワンダードロップには単なるスリルを提供するだけでなく、水しぶきによる涼しさや爽快感といった「リフレッシュ」の要素も強く求められました。つまり、スリルと爽快感、その両方をバランス良く兼ね備えたアトラクションである必要があったのです。

開発の過程では、設計上の課題も存在しました。特に、ボートが急降下後に水面に突入し、水の抵抗だけで自然に安全に停止するために必要な直線距離を、当初のパーク全体のレイアウト計画の中で確保することが困難でした。この問題を解決するため、開発チームはアトラクション全体の配置計画を根本的に見直し、必要な直進部分を収めるための空間を生み出すなど、様々な工夫を凝らしました。現在の独特なコースレイアウトは、このような設計上の課題を克服した結果生まれています。

スペックと関連情報

最大落差: 13メートル
最高速度: 50 km/h
所要時間: 約4分30秒
定員: 1台のボートに最大4名まで乗車可能
* 利用料金: 700円

「ワンダードロップ」には、大塚製薬株式会社が協賛企業として関わっています。また、アトラクションを楽しむ際の合言葉や、キャストとのコミュニケーションとして「ヨーホー」という言葉が使われています。

これらの要素、すなわちスリル満点の急降下、夏の暑さを吹き飛ばす水しぶき、そして開発の背景にあるコンセプトや技術的な工夫が一体となり、「ワンダードロップ」は東京ドームシティ ラクーアにおいて、多くのゲストに愛される人気のアトラクションとなっています。

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