ワン・デイ 23年のラブストーリー

映画『ワン・デイ 23年のラブストーリー』

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』（原題：One Day）は、2011年に公開されたイギリスの映画で、ロネ・シェルフィグが監督を務めました。原作はデヴィッド・ニコルズの同名小説で、彼自身が脚本を手掛けています。この作品は、異なる環境で暮らす二人の男女が30年にわたって織り成す複雑な関係を描いた感動的なストーリーです。

ストーリーの概要

物語は1988年7月15日、「聖スウィジンの日」にエディンバラ大学の卒業式で出会った真面目な女性エマ（演：アン・ハサウェイ）と自由を愛する男性デクスター（演：ジム・スタージェス）の出会いから始まります。出会ったその日、二人は互いに惹かれ合うものの、友人関係を選びます。彼らの関係は、7月15日という特別な日を軸に展開されていきます。

エマはロンドンで仕事を始め、デクスターはテレビ界での成功を手に入れますが、時折顔を合わせるものの、互いの生活はすれ違いがちです。特に1990年代の二人の人生は、仕事や恋愛での悩みや葛藤を抱えつつ続いていきます。何度かの再会を経て、彼らはそれぞれの道を歩んでいくことになります。

人物関係と成長

物語が進むにつれ、エマは詩人として名を馳せる一方で、デクスターは恋愛や仕事での波乱を経験します。彼の婚約者シルヴィとの関係や、エマへの愛情は複雑に絡み合います。時折、彼らは同窓生の結婚式や偶然の出会いを通じて再度の繋がりを持つものの、互いの気持ちや状況には変化が訪れます。

彼らの関係が最も動くのは、2004年の出来事です。この年には、エマが「愛する人の子どもが欲しい」という気持ちを打ち明けることで、彼らの関係に変化が訪れます。この言葉は、彼女の心の奥底に眠るデクスターへの想いを浮き彫りにします。以降も続く彼らの友情と愛情の行方は、観客に深い感動をもたらします。

製作とロケーション

本作はランダムハウス・フィルムズとフォーカス・フィーチャーズの共同製作により制作され、スコットランド、イングランド、フランスなどでのロケ撮影が行われました。撮影の開始は2010年7月で、初めて出会ったエディンバラでのシーンが収録されています。

評価と反響

公開後の『ワン・デイ 23年のラブストーリー』は、Rotten Tomatoesでのレビューでは支持率36％、それに対しCinemaScoreでは「B-」という評価を受けました。観客からは賛否が分かれる中でも、長い年月を経た友情と愛情を描いた点が多くの人々の心に響いたことは間違いありません。

この映画は、観る者に他者とのつながりの大切さや、人生での出会いと別れ、それらが持つ意味を思い起こさせてくれる作品です。

もう一度検索