ワールズエンドクラブ

『ワールズエンドクラブ』：海底遊園地からの脱出劇と、少年少女たちの冒険

『ワールズエンドクラブ』は、トゥーキョーゲームスとグランディングが共同開発し、イザナギゲームズより発売されたアクションアドベンチャーゲームです。2020年 9月4日にApple Arcade版が、2021年5月27日にはNintendo Switch版がリリースされました。ダンガンロンパシリーズで知られる小高和剛氏と、極限脱出シリーズの打越鋼太郎氏がタッグを組み、独特の世界観とストーリーを展開しています。小高氏がクリエイティブディレクター、打越氏がシナリオライター兼ディレクターを務め、トゥーキョーゲームスの中澤工氏もディレクターとして参加。イラストは竹氏が担当しています。

当初は『デスマーチクラブ』というタイトルで、小学生たちがデスゲームに参加する内容として発表されましたが、発売前にタイトルが変更され、物語の軸も大きくシフトしました。キャッチコピーは「12歳による12のデスゲーム」でしたが、デスゲーム要素は序盤のみで、その後は、少年少女たちの冒険物語へと展開していきます。

物語：隕石落下から始まる冒険

1995年7月13日、全国から集められた落ちこぼれ小学生たち「ガンバレ組」は、修学旅行中のバスの中でホラー映画を鑑賞しながら鎌倉へ向かっていました。しかし、突如として隕石が落下し、バスは衝撃を受け、メンバーたちは廃墟と化した海底遊園地「World's End Land」で目を覚まします。そこには、映画のキャラクターのようなピエロピが現れ、デスゲームの開始を宣言します。腕輪に書かれたノルマを達成した者だけが、魔法の鍵を得て地上へ脱出できるというルールです。ノルマを達成できない者は、巨大ロボット「ドロドロンボット」に閉じ込められてしまいます。

リーダー格のれいちょは、ゲームをクリアし鍵を手に入れますが、脱出するのではなく、ドロドロンボットの鍵穴に鍵を差し込み、仲間たちを救出。そして、遊園地内にあった潜水艦に乗り込み、脱出に成功します。しかし、辿り着いたのは、1200kmも離れた鹿児島の廃墟と化した街でした。メンバーたちは、故郷である東京へ帰るため、新たな冒険へと旅立つことになります。

ゲームシステム：アドベンチャーとアクションの融合

本作は、アドベンチャーパートと横スクロールアクションパートが融合したゲームシステムを採用しています。

STORYステージ（アドベンチャーパート）： 会話イベントを通してストーリーが進行し、選択肢によって物語が分岐します。しかし、終盤以外はどのルートを選んでも最終的には合流するようになっています。
ACTステージ（アクションパート）： 横スクロールのアクションステージで、ジャンプや各キャラクター固有の能力「バディスキル」を使って進んでいきます。主人公のれいちょを中心に操作しますが、状況に応じて操作キャラクターが変化し、使用できるバディスキルも変わります。ダメージを受けると即ゲームオーバーとなり、チェックポイントからやり直しとなります。難易度はノーマルとイージーから選択可能です。
* CAMPステージ： キャンプで仲間たちと会話し、これまでの出来事を振り返ったり、個別に会話をすることができます。スキップも可能です。

個性豊かなキャラクターたち：十二支をモチーフにしたガンバレ組

ガンバレ組のメンバーは、それぞれ十二支をモチーフとしてデザインされており、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。冒険を通じて、メンバーたちは特殊能力「バディスキル」を習得し、アクションパートで活用していきます。れいちょ、バニラ、関西、チュー子、モーちゃん、ニョロ、兄貴、パイ、たっつん、ポチ、ジェンヌ、雪といったメンバーそれぞれに、独自の個性と能力、そして、人間関係が描かれています。特にジェンヌは、イラスト担当の竹氏の宝塚歌劇団への熱意から生まれたキャラクターです。

開発：デスゲームから冒険物語へ

開発陣は、ダンガンロンパシリーズや極限脱出シリーズといったデスゲーム作品で知られる小高氏と打越氏ですが、本作は残酷表現を避け、全世界、特に中国市場での展開も視野に入れて制作されました。物語のベースは、『IT』や『グーニーズ』といった少年少女の冒険譚から着想を得ており、『スタンド・バイ・ミー』、『MOTHER』、『ガンバの冒険』といった作品からも影響を受けています。当初はデスゲーム部分を体験版としてリリースする予定でしたが、Apple Arcadeでの配信という事情から実現には至りませんでした。Nintendo Switch版では、体験版が配信され、当初の構想が実現しています。

その他：漫画版など

コロコロオンラインでは、菊妻ヒロキ氏による漫画版が連載されました。また、カラムーチョやライフガードといった企業とのタイアップも実施されています。

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