ワールドアスレティックス

ワールドアスレティックス（World Athletics）

ワールドアスレティックスとは、陸上競技の国際組織であり、旧称は国際陸上競技連盟（IAAF）です。2019年に改名されたこの組織は、競技規則の整備や大会運営を行う役割を担い、加盟団体の統括も行っています。日本では「世界陸連」と呼ばれています。

歴史の背景

陸上競技は19世紀中頃、特にイギリスとアメリカでアマチュア競技としてクローズアップされました。各国に選手権大会が設立され、1890年代には国際大会が行われました。1896年にはアテネで初の近代オリンピックが開催され、陸上競技が注目を集めるきっかけとなりました。

1912年には、ストックホルムオリンピック終了後に17カ国の代表が集まり、国際的な陸上競技統括団体を設立するための会議を開催しました。これにより、IAAFが誕生したのです。最初の総会は1913年にベルリンで行われ、IAAFの憲章が採択されました。

競技への影響

IAAFは1914年に競技規則を整備し、世界記録の公認を開始しました。その後、計時技術は進化し、1964年からは電動計時が導入され、1977年に1/100秒単位での記録公認が義務化されました。

また、1910年代には女子陸上競技も盛んになり、1921年には国際女子スポーツ連盟（FSFI）が設立されましたが、後にIAAFに吸収され消滅しました。

ドーピングと規則

IAAFは、1928年にドーピング要項を承認し、以降も選手の健康と公正を守るために厳しい規則を設けてきました。1989年から選手への抜き打ち検査を開始し、2011年からは大会中の血液検査を全選手に義務付けました。本団体はフェアプレーの推進に努めており、現在はWADA（世界アンチ・ドーピング機関）との協力関係を築いています。

組織の運営

現在、IAAFは会長を含む多くの役員で構成されており、2年ごとに総会が開催されています。この総会では、会長や副会長などの選出が行われ、重要事項が審議されています。また、IAAFは1988年から年間最優秀選手賞を設け、優れた選手を表彰する活動も行っています。

アマチュアリズムからプロ化へ

IAAFは設立当初からアマチュアリズムに重きを置きましたが、1970年代に入ってからその方針は変化しました。1981年には会長が商業化を進め、選手への賞金支払いが実現しました。これにより、大きな変革と共に選手たちはプロフェッショナルとして活動できる環境が整いました。

世界選手権とグランプリ

IAAFは1983年に世界陸上競技選手権大会を創設し、選手にとっての最高の栄誉を得る舞台となりました。この大会はオリンピックに次ぐ陸上の大きなイベントとして認識されています。また、グランプリシリーズを介して、多くの競技会で選手に賞金を授与する機会を設けることで、陸上競技の普及と発展に寄与しています。

結論

ワールドアスレティックスは、確固たる歴史を持つ組織であり、陸上競技を統括する重要な役割を果たしています。競技の公平性を保ちながら、選手たちのプロとしての活躍を支援し続ける姿勢は、今後も変わらないでしょう。

もう一度検索