ワールドテコンドー

ワールドテコンドー（World Taekwondo）

ワールドテコンドー（WT）は、国際オリンピック委員会（IOC）に認可されたテコンドー競技の国際連盟で、韓国のソウルにその本部を置いています。この組織は1973年5月28日に韓国の国技院で開催された設立会議で、世界中の代表者35名によって設立されました。WTは、当初は世界テコンドー連盟（World Taekwondo Federation, WTF）という名称で知られていましたが、2017年6月23日に名称を改称しました。これは、略称の「WTF」が英語圏では不適切なスラングを連想させることから、ブランドイメージの刷新を目的としたものです。

組織と大会

WTは、オリンピックをはじめ、さまざまな国際大会や世界選手権、ワールドテコンドーグランプリを主催・運営しています。また、アジア、欧州、アフリカ、オセアニア、そしてパンアメリカにおけるテコンドー連盟も加盟しており、各国の国内競技連盟として全日本テコンドー協会やUSAテコンドーなどがあります。特に1988年のソウルオリンピックにおいては公開競技として紹介され、2000年のシドニーオリンピックにおいて正式競技に認められています。

型と競技ルール

WTテコンドーにおける型は「プムセ」と呼ばれ、国技院による標準教本に基づいています。国際大会ではこの標準に則った審査が行われますが、日本国内ではまだこの標準が広く浸透しておらず、国内大会での採点や指導者の育成が課題とされています。WTにおけるプムセの主要な型には、太極1章から8章までの八卦の型や、高麗、金剛、平原などがあります。

スパーリング

スパーリング競技は「キョルギ」と呼ばれ、ポイント制で行われます。選手はポイント獲得を目指して相手と対戦し、攻撃の種類によって得点が決まります。たとえば、胴部への突きは1ポイント、上段への蹴りは3ポイントといったように、精密な攻撃が求められます。ただし、ローキックなどの下段攻撃は禁止されており、選手は戦略的な技術を駆使して得点を狙います。

階級分け

WT選手権における選手の階級分けは詳細に設定されていますが、オリンピックでは男女それぞれ4階級（全体で8階級）に集約されています。このように、競技の公平性を保ちつつ選手の体格や技術レベルによる適切な階級分けがなされています。

ワールドテコンドーは、テコンドー競技の発展や普及を目的とした重要な団体であり、今後も国際的な競技者の育成やルールの整備に努めていくことでしょう。

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