ワールドヒーローズ 光龍伝

『ワールドヒーローズ 光龍伝』

『ワールドヒーローズ 光龍伝』は、蜂文太が手掛けた日本の漫画作品で、人気の対戦型格闘ゲーム『ワールドヒーローズ』を基にしています。この作品は『少年王』での連載を経て、光文社から単行本として発行されましたが、ストーリーは続編である『ワールドヒーローズ2』を色濃く反映しているため、しばしば『ワールドヒーローズ2 光龍伝』と呼ばれることもあります。

概要

本作の特筆すべき点は、主人公ハンゾウを中心に展開される物語が深くコミカルである点です。ストーリーの一部にはシリアスな展開も見られますが、全体を通してギャグが主体であり、多くのキャラクターが可愛らしい「ちびキャラ」として描かれ、ユーモアを添えています。唯一、ハデスというキャラクターだけが、終始ギャグの雰囲気とは異なるダークな存在感を持っています。それでも戦闘シーンでは、リアルな緊迫感や躍動感が見事に表現され、格闘漫画としての魅力を失っていません。

あらすじ

物語は、伊賀忍軍の新頭主であるハンゾウが、強者との戦いを求めてワールドヒーローズに参加することから始まります。ハンゾウは前回の大会で優勝を逃した経験があり、今度こそはと意気込んで伊賀の里を後にします。開催地では、前回の参加者フウマやジャンヌと再会し、初出場のリョウコともともに戦うことになりますが、彼らの知らないところで大会の裏には、世界征服を目論む悪の組織ダムドの陰謀が潜んでいました。

登場人物

ハンゾウ

新たに伊賀忍軍を率いるハンゾウは、戦いに情熱を燃やす一方で、頭主としての認識が欠けている面があります。実力はあるものの常識に疎く、特に女性に対して非常に興味を示します。彼の成長と恋愛に関する葛藤が物語の核となっています。

リョウコ

若き女子柔道家であるリョウコは、初めての大会で強い関心を抱きつつも、ハンゾウに対しては最初は警戒心を抱いています。しかし、彼女も次第にハンゾウに信頼を寄せ、共に成長していく姿が描かれています。

フウマ

風魔忍軍の若頭として、ハンゾウのライバルであり、彼との関係を深めていくキャラクターです。女好きでありながら特定の人物に対しては特別な感情を抱いているという葛藤があります。

ジャンヌ

フランス出身の女剣士で、非常に気性が激しく、物語の中で数々のトラブルを引き起こします。彼女の過激な性格は物語のテンポを軽快にし、また恋の側面も持つキャラクターとして注目されます。

その他のキャラクター

優勝者のブロッケンや、改造されたノイエ・ブロッケンを含む多彩なキャラクターたちが物語を彩ります。また、ハンゾウの後見人陣内や、小菊といったサポートキャラも、物語の面白さを増しています。

終わりに

『ワールドヒーローズ 光龍伝』は、ギャグやシリアス、アクションの要素をバランスよく取り入れた作品です。対戦型格闘ゲームから派生したこの物語は、個性的なキャラクターが織り成す世界観と、人間的な成長を描くことに成功しています。現在は絶版となっていますが、当時のファンに愛され続ける作品です。

もう一度検索