ワールドモノレール (ロッテワールド)

ワールドモノレール概要

韓国の首都ソウル特別市、その松坡区に位置する巨大テーマパーク「ロッテワールド」には、園内を効率良く、かつ楽しく移動するための交通システムが導入されています。その一つが、園内に設置されたモノレール路線「ワールドモノレール」です。

このモノレールシステムは、スイスの輸送システムメーカーであるインタミン社によって製造されました。インタミン社は、世界各地のテーマパークや遊園地にユニークなアトラクションや輸送システムを提供することで知られており、ワールドモノレールもその実績の一つと言えます。

ワールドモノレールの主な役割は、ロッテワールドを構成する主要なエリア間を結び、来園者の周遊をサポートすることです。ロッテワールドは、巨大な屋内テーマパークエリアである「アドベンチャー」と、石村湖（ソクチョンホ）に浮かぶ人工島に造られた屋外エリア「マジック・アイランド」の二つのセクションに大きく分かれています。このモノレールは、これら異なる雰囲気を持つエリア間をスムーズに移動できる手段として機能しています。

路線と駅

ワールドモノレールの路線上には、二つの主要な駅が設置されています。

一つ目は、マジック・アイランドに位置する「レイクステーション」です。この駅は屋外エリアの中心部にあり、湖畔やアトラクションへのアクセス拠点となります。

二つ目は、屋内エリア「アドベンチャー」内に設けられた「アドベンチャーステーション」です。この駅は、壮大な屋根の下に広がるアドベンチャーエリアの賑わいの中にあり、雨天など天候に左右されずに利用できる利便性を持っています。

モノレールに乗車することで、来園者はアドベンチャーエリアの屋根の近くを通り抜け、湖上にかかる軌道を進み、マジック・アイランドへと至るユニークな景観を楽しむことができます。園内の全体像を把握したり、次の目的地へ向かう際に便利な移動手段として利用されています。

車両と仕様

ワールドモノレールで使用されている車両も、システム全体を製造したインタミン社製です。

車両は比較的小型の設計となっており、1編成あたりの最大乗車定員は18名とされています。これは、大規模な通勤・通学用のモノレールシステムと比較すると少ない人数ですが、テーマパーク内の周遊という目的に合わせた適切な輸送力と言えます。

運行速度については、最高時速が約10.5キロメートルとなっています。これは一般的なモノレールとしては比較的ゆっくりとした速度であり、これにより来園者は車窓からの景色をじっくりと楽しむことができます。園内の景観を損なわないようなデザインと、安全性に配慮した速度設定がなされていると考えられます。

運行について

ワールドモノレールは、基本的にロッテワールドの営業時間に準じて運行されています。これにより、来園者は開園から閉園まで、いつでも園内移動にモノレールを利用することが可能です。

ただし、運行条件は天候に大きく左右される特性があります。通常はレイクステーションとアドベンチャーステーションを結ぶ全区間が運行されますが、特定の悪天候時には運行区間が限定されます。

具体的には、雨天時や、雨が止んだ後で線路が乾燥するまでの間、また、強風によって屋外区間での安全な運行が困難と判断された場合、さらに、極端な低温となる酷寒時や、猛暑となる酷暑時などには、屋外のマジック・アイランドへ向かう区間は運行休止となり、アドベンチャーエリア内のアドベンチャーステーションを発着する屋内区間のみでの折り返し運行となります。これは、悪天候が輸送システムに与える影響や、乗車するゲストの安全と快適性を考慮した措置です。そのため、利用を予定している場合は、当日の天候や運行状況を事前に確認することが推奨されます。

ワールドモノレールは、単なる移動手段としてだけでなく、ロッテワールドの様々なエリアを結びつけ、園内を効率的に巡ることを可能にするアトラクション的な要素も兼ね備えた重要な施設と言えます。

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