ワールドリーグ戦

ワールドリーグ戦：日本のプロレス史に刻まれた伝説のリーグ戦

日本のプロレス界において、幾度となく開催された「ワールドリーグ戦」。その歴史は、団体を跨ぎ、時代を超えて、プロレス界に大きな足跡を残しています。本稿では、それぞれの大会の特徴や歴史的背景、そしてその後のプロレス界への影響を詳細に解説します。

1. 日本プロレス版ワールドリーグ戦：戦後日本のプロレス黄金期を支えた大会

1950年代後半、力道山を中心とした日本プロレスは、国民的な人気を博していましたが、次第に人気は下降気味に。テコ入れ策として1959年から始まったのが、日本プロレス版ワールドリーグ戦です。

この大会は、世界各国を代表するレスラーが参加する総当たりリーグ戦という、当時としては画期的なものでした。外国人レスラーと日本レスラーの対抗戦という側面も持ち、連日多くの観客を集め、プロレス人気を再び盛り上げることに成功しました。

大会名は当初「ワールド大リーグ戦」でしたが、第6回以降は「ワールドリーグ戦」と改称されました。外国人レスラーと日本レスラーの対抗戦というフォーマットは、後の女子プロレス団体にも影響を与え、現在でも見られるリーグ戦の原型となっています。

ジャイアント馬場選手は6度の優勝を誇り、力道山選手は5連覇という偉業を達成しました。1968年の第10回大会は東映によってドキュメンタリー映画『プロレスWリーグ 血ぬられた王者』として制作されるなど、社会現象にもなりました。この大会は、全日本プロレスのチャンピオン・カーニバルへと受け継がれ、現在も続くシングル戦線における最高峰の大会となっています。

2. 新日本プロレス版ワールドリーグ戦：新たな時代の幕開け

新日本プロレスは、日本プロレスの流れを汲みつつ、独自のワールドリーグ戦を開催しました。1974年から4回開催されたこの大会は、日本プロレス版を参考にしながら、新たなスター選手を輩出する舞台となりました。しかし、日本プロレス版ほどの詳細な記録は残っておらず、優勝者などの情報も限られています。

3. 全日本女子プロレス版ワールドリーグ戦：女子プロレス界への貢献

1974年、国際プロレス女子部の旗揚げに対抗して企画されたのが、全日本女子プロレス版ワールドリーグ戦です。日本プロレス版を参考に、主に日本人ヒールレスラーが外国人選手と組むなど、独自の演出を取り入れました。

3回開催された後、1979年には「フジテレビ杯争奪日米対抗リーグ戦」と改称され、大会は新たな展開を迎えました。この大会も、女子プロレス界の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

4. ワールドリーグ戦の意義：プロレス界への影響

これらのワールドリーグ戦は、単なるプロレスの大会にとどまらず、日本のプロレス界全体の発展に大きく貢献しました。外国人レスラーとの交流、新しいスター選手の育成、そしてプロレス人気を支える役割を果たしました。また、総当たりリーグ戦というフォーマットや、外国人選手と日本人選手の対抗戦という演出は、後のプロレス大会にも大きな影響を与え、現在のプロレスリーグ戦の礎を築いたと言えるでしょう。それぞれの大会の詳細は記録が断片的ではありますが、日本のプロレス史において重要な位置を占めることは間違いありません。今後の研究により、より詳細な歴史が明らかになることが期待されます。

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