ヴァイオレーター

アルバム『ヴァイオレーター』: デペッシュ・モードの金字塔

概要

『ヴァイオレーター』(Violator)は、イギリスの音楽グループ、デペッシュ・モードにとっての7枚目のスタジオアルバムであり、1990年3月19日にリリースされた。この作品は、ローリング・ストーン誌が2020年に選定した「歴代最高のアルバム500選」において、167位にランクインするなど、音楽史において重要な位置を占めている。

制作の背景

アルバム制作に際し、メンバーのマーティン・ゴアは「僕たちの90年代最初のレコードは、これまでとは一味違うものにしたい」と語った。この意図を反映して、プロデューサーにはフラッドが起用され、彼はバンドに対して技術的な指導を行った。また、アラン・ワイルダーは楽曲のアレンジや骨組み作りを担当し、バンドのサウンドに独自の深みを加える役割を果たした。レコーディングは1989年5月から1990年にかけて、イタリア、デンマーク、イギリス、アメリカなど各国で行われ、国際的な色合いを持つ作品となった。

商業的成功

アルバムからのリリースされたシングル「パーソナル・ジーザス」と「エンジョイ・ザ・サイレンス」は、アメリカやイギリスの音楽チャートでトップ10に入り、大ヒットとなった。これにより、デペッシュ・モードは世界的なトップバンドへの道を歩むこととなった。その後も「ポリシー・オブ・トゥルース」や「ワールド・イン・マイ・アイズ」がヒットを記録し、『ヴァイオレーター』はビルボードで最高7位を獲得。アメリカにおいては350万枚以上を売り上げ、バンドにとって初のミリオンセラーアルバムとなった。これにより、本作はデペッシュ・モードの代表作として名を馳せ、プレスや評論家による高い評価を得ることとなった。

特にロサンゼルスで行われたサイン会では、事前の予想を超え、なんと2万人が集まり、混乱が生じるほどの熱狂的な盛り上がりを見せた。この現象は、デペッシュ・モードのファン層が急速に拡大していることを示している。

収録曲

全曲の作詞作曲はマーティン・ゴアが手掛けている。アルバムの収録曲は以下の通り:

1. ワールド・イン・マイ・アイズ - 4:26
2. スウィーテスト・パーフェクション - 4:43
3. パーソナル・ジーザス - 4:56
4. ヘイロー - 4:30
5. ウェイティング・フォー・ザ・ナイト - 6:07
6. エンジョイ・ザ・サイレンス - 6:12
7. Crucified（隠しトラック） - 1:52
8. ポリシー・オブ・トゥルース - 4:55
9. ブルー・ドレス - 5:41
10. Interlude（隠しトラック） - 1:23
11. クリーン - 5:32

参加ミュージシャン

このアルバムには、以下のメンバーが参加している:

• - デイヴ・ガーン: リードボーカル、コーラス(#2)、ギター (Crucified)
• - マーティン・ゴア: キーボード、ギター、コーラス、リードボーカル (#2, #8)
• - アンディ・フレッチャー: ヴォコーダー (Crucified)
• - アラン・ワイルダー: キーボード、ベースギター (#9)、ドラムス (#9)、コーラス、プログラミング
• - Nils Tuxen: ペダルスティールギター (#9)

まとめ

『ヴァイオレーター』は、デペッシュ・モードの音楽的な進化や洗練を示す重要なアルバムであり、その成功はバンドの歴史においても特筆すべきものとなった。ファンの熱狂と共に、音楽シーンに残した影響は今なお色あせることなく、多くのリスナーの心に深く刻まれ続けている。

もう一度検索