ヴァイマル、デッサウ及びベルナウのバウハウスとその関連遺産群

ヴァイマル、デッサウ及びベルナウのバウハウスとその関連遺産群

「ヴァイマル、デッサウ及びベルナウのバウハウスとその関連遺産群」は、1996年にユネスコ世界遺産に登録されたドイツの文化遺産です。当初は「ヴァイマルとデッサウのバウハウスとその関連遺産群」として登録されましたが、2017年にベルナウ・バイ・ベルリンの関連遺産が追加され、現在の名称となりました。この遺産群は、20世紀初頭のモダニズム建築に大きな影響を与えた建築学校バウハウスの歴史と理念を伝える重要な構成資産を含んでいます。

バウハウスの歴史

バウハウスは、ヴァイマル、デッサウ、ベルリンと移転しましたが、それぞれの都市で異なる特徴を持っていました。

ヴァイマル時代 (1919年-1925年)

1919年、ヴァルター・グロピウスによってヴァイマルに設立されたバウハウスは、ヴァイマル美術工芸学校とヴァイマル美術アカデミーを統合したものでした。グロピウスは、芸術と技術の融合を目指し、職人と芸術家の間の階級的障壁を排除した新しい職人ギルドの設立を宣言しました。第一次世界大戦後の社会変革期において、グロピウスは機能的で安価、かつ大量生産に適した新しい建築様式を追求しました。しかし、テューリンゲン議会の支援が打ち切られると、1925年にヴァイマルを閉校することになりました。

デッサウ時代 (1925年-1932年)

デッサウへの移転は、バウハウスにとって大きな転換期となりました。グロピウスは、建築家ハンネス・マイヤーを後任の学長に迎え、バウハウスは建築プロジェクトに注力するようになります。マイヤーは、機能主義的なアプローチを重視し、コスト削減のために規格化された建築部品を積極的に採用しました。その結果、デッサウの集合住宅やベルナウのADGB連合学校本部棟など、現存する重要な建築物を数多く生み出しました。しかし、マイヤーの共産主義的な思想や、生徒とのスキャンダルが問題視され、1930年に解雇されました。

ベルリン時代 (1932年-1933年)

デッサウのバウハウスは1932年に閉鎖され、ベルリンに移転しました。しかし、ナチスの台頭により、バウハウスは「非ドイツ的」であると批判され、1933年4月11日に閉鎖を余儀なくされました。

登録されている遺産

世界遺産に登録されているのは、以下の11件です。

ヴァイマル
バウハウス大学本部棟
バウハウス大学のヴァン・デ・ヴェルデが手がけた建物
ハウス・アム・ホルン
デッサウ
デッサウ・バウハウス
親方の家
ベルナウ
５棟の片廊下式集合住宅
ADGB連合学校

登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たしています。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
* (6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの

バウハウスは、その短い歴史の中で、建築、デザイン、芸術教育に多大な影響を与えました。その理念は、現代の建築やデザインにも受け継がれています。バウハウスとその関連遺産群は、その歴史と影響を今に伝える貴重な文化遺産です。

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