ヴァイラ・ヴィーチェ＝フレイベルガ

ヴァイラ・ヴィーチェ＝フレイベルガ：ラトビア初の女性大統領

ヴァイラ・ヴィーチェ＝フレイベルガ（Vaira Vīķe-Freiberga）は、1937年12月1日にリガで生まれました。彼女はラトビアの政治家、そして心理学者であり、同国初の女性大統領として知られています。

生い立ちと教育

彼女が1歳の時に父親が他界。1944年、第二次世界大戦の影響で家族と共にドイツへ移住。難民キャンプでの生活を経て、カナダへと移り住みます。カナダでは、CIBCで秘書として働きながら、英語と心理学の学位を取得。その後、マギル大学で実験心理学の博士号を取得しました。1957年からは、在外ラトビア人コミュニティで教育者、民俗学者として活動しました。

学術的なキャリア

1965年から1998年まで、モントリオール大学で心理学教授を務めました。精神薬理学、心理言語学、科学理論など幅広い分野を担当し、記憶や言語、認知過程に対する薬物の影響について実験的な研究を行いました。また、記号論、詩学、ラトビア民謡の構造分析など、人文科学的な研究にも力を注ぎました。

学術界での活動は非常に活発で、カナダ心理学会会長、NATOの「ヒューマンファクター」プログラムのカナダ代表などを歴任。1989年には、ブラジル議会の改憲委員会にカナダ代表顧問として招聘されるなど、国際的な舞台でも活躍しました。

1998年10月には、ラトビア研究所の所長に任命され、ラトビアの文化と科学の発展に貢献しました。

大統領としての功績

1999年6月、大統領選に出馬し、見事当選。ラトビア初の女性大統領として就任しました。2003年には再選を果たし、2期にわたり大統領を務めました。大統領在任中は、ラトビアの国際的な地位向上に尽力し、NATO加盟やEU加盟を推進しました。また、国内の経済改革や社会福祉の充実にも力を注ぎました。

2006年には、国際連合事務総長選挙に立候補しましたが、潘基文が選出されました。2007年7月、2期目の任期を満了し、ヴァルディス・ザトレルスに後を託しました。

パーソナルな側面

夫のイマントは、ケベック大学の情報学教授であり、ラトビア情報技術・通信協会の会長を務めています。息子と娘がおり、娘はロンドンで働いています。

彼女はラトビア語、フランス語、英語、ドイツ語、スペイン語を操るマルチリンガルです。心理学の研究に加えて、ラトビア民謡の詩形や構造に関する研究でも知られています。カナダ王室協会フランス語支部長も務めました。また、ラトビアの三ツ星勲章を受章しています。

大統領時代には、各国の要人と並ぶ際にラトビアを代表する存在としてふさわしい装いを心がけ、衣装代にも気を配っていました。退任後には、これらの衣装を競売に出す意向を示しました。

ヴァイラ・ヴィーチェ＝フレイベルガは、ラトビアの歴史における重要な人物の一人であり、彼女のリーダーシップと知性は、ラトビアの発展に大きく貢献しました。

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