ヴァスコ・ダ・ガマ (ゴア州)

ゴア州最大の都市、ヴァスコ・ダ・ガマ

ヴァスコ・ダ・ガマは、インド西海岸に位置するゴア州最大の都市です。ポルトガルの探検家ヴァスコ・ダ・ガマにちなんで名付けられ、地元では「ヴァスコ」の愛称で親しまれています。10万人以上の人々が暮らすこの都市は、ゴア州で最も人口が多い地域です。モルムガオ半島の西側、ズワーリー川付近に位置し、州都パナジからは約30km、ダボリム空港からは約5kmとアクセスも便利です。

歴史

1543年に設立されたヴァスコは、1961年にインドがゴア州を奪還するまでポルトガルの統治下にありました。この歴史を物語るように、街にはポルトガル時代の面影が残っています。市庁舎前で署名された「降伏文書」は、その歴史的な出来事を今に伝えています。

交通と産業

ヴァスコはゴア州で唯一、道路、鉄道、海上、空路の全てが整備された都市です。主要道路であるNH 17A、インド南西部鉄道、モルムガオ港、そしてダボリム空港がその交通網を支え、ゴア州を訪れる観光客の多くがこの都市を経由します。

経済は港湾貿易が中心で、付近の鉱山から採掘されるマンガンはモルムガオ港に集積され、大型貨物船で海外へ輸出されます。市内には大手鉱業会社や国際貿易会社の事務所が立ち並びます。

モルムガオ港湾会社は地域最大の雇用主であり、港の従業員とその家族のための住宅団地や学校も整備されています。

観光・文化

ヴァスコ周辺には、美しいビーチが点在しています。ボグマロビーチは人気ですが、港の設備により遊泳には注意が必要です。また、ホラントやバイナといった小さなビーチも訪れる価値があります。

街の中心部には、ポルトガル領インド時代の面影を残すアンドリュー協会や、インド唯一の海軍と航空に関する博物館である海軍航空博物館があります。この博物館では、航空機模型や写真を通して、インド海軍と空軍の歴史を学ぶことができます。

音楽も盛んで、ゴア州の人気グループ、ダイヤモンド・オーケストラはヴァスコの出身です。また、イギリスの音楽グループ、リンクスやコレクティヴ・ソウルのメンバーもゴア州出身です。

毎年開催されるShri Damodar Bhajani Saptahは、ヒンドゥー暦のシュラーヴァナ月に行われるナーグ・パンチャミーの祭りに先行するお祭りで、多くの人々で賑わいます。また、聖ヨハネ・ボスコの古蹟が聖アンドリュー教会に到着したことも、街の歴史を彩る出来事の一つです。ゴア州の他の都市と同様に、ヴァスコでもシグモの祭りが盛大に祝われます。

スポーツ

サッカーはヴァスコで最も人気のあるスポーツで、IリーグにはヴァスコSCとサルガオカーSCが参加しています。サルガオカーSCは過去にリーグ優勝も果たしています。サッカー専用スタジアムであるティラク・マイダン・スタジアムがありますが、収容人数の関係でIリーグの試合で使用されることは稀です。

クリケットはサッカーほど人気ではありませんが、ランジ・トロフィーで活躍したシャダブ・ジャカティはヴァスコ出身です。

政治

ヴァスコは下院ローク・サバーのモルムガオ選挙区に属し、現在の議員はSardinha Franciscoです。また、ゴア州立法議会の代表も選出しており、現在の議員はCarlos Almeidaです。

研究

Sada岬周辺には、国立南極海洋研究センターがあり、インドの南極プログラムを統括しています。この施設では、インドの南極基地Maitriの維持も行っており、海洋研究施設に加えて極低温氷殻貯蔵施設も有しています。

ヴァスコ・ダ・ガマは、歴史と現代が交錯する、魅力あふれる都市です。

もう一度検索