ヴァネッサ・ジェームス

ヴァネッサ・ジェームスは、1987年9月27日生まれのカナダ出身のフィギュアスケート選手です。彼女は、そのキャリアの中で、イギリス、フランス、カナダの代表として活躍しました。初期は女子シングル選手としてキャリアをスタートさせましたが、後にペアスケーティングに転向し、数々の国際大会で目覚ましい成績を収めています。現在はエリック・ラドフォードとペアを組んでいます。

生い立ちとキャリア初期

カナダで生まれたヴァネッサは、アメリカで育ちました。父親がバミューダ諸島出身だったことからイギリスのパスポートを取得し、イギリス代表として国際大会に出場しました。当時からアメリカを拠点に活動していましたが、2008年にフランスのヤニック・ボヌールとペアを組んだことをきっかけにフランスへ拠点を移し、2009年にフランスに帰化しました。

シングル選手からペア選手へ

当初はアメリカで競技活動を行っていましたが、2005年にイギリス代表となり、同年のイギリス選手権で優勝を果たしました。これは、黒人選手としては初の快挙でした。しかし、その後、ペアスケーティングに転向し、2008-2009シーズンからはヤニック・ボヌールとペアを組み、フランス代表として国際大会に出場しました。このペアで、世界選手権で12位に入賞し、2010年のバンクーバーオリンピックの出場枠を獲得しました。バンクーバーオリンピックでは14位、世界選手権では12位の成績を収めました。

パートナーシップの変化

バンクーバーオリンピック後、ボヌールとのペアを解消し、マクシマン・コイーアとペアを組みますが、すぐに解消しました。その後、2010年9月にモルガン・シプレとペアを組み、新たなスタートを切りました。シプレとのペアでは、フランス選手権で2位、欧州選手権で6位となり、世界選手権の代表に選出されました。2012-2013シーズンには、ネーベルホルン杯で初の国際大会メダルを獲得し、フランス選手権で優勝するなど、出場した大会全てで前年の成績を上回りました。しかし、2013-2014シーズンには、シプレの怪我により練習が困難になり、ネーベルホルン杯などを欠場することになりました。ソチオリンピックでは10位という結果に終わりました。

コーチ変更と新たな挑戦

シーズンオフには、コーチをスタニスラフ・モロゾフに変更しましたが、すぐにクロード・ペリ＝テベナールに戻っています。その後も、ジョン・ジマーマンとジェレミー・バレットにコーチを変更し、アメリカのコーラルスプリングスに練習拠点を移しました。2016-2017シーズンには、欧州選手権で3位に入り、フランスのペアとして14年ぶりに表彰台に立つ快挙を成し遂げました。しかし、2020年9月、シプレが起こした事件により選手活動から引退し、ペアは解散となりました。

カナダ代表としての新たなスタート

2021-2022シーズン、ヴァネッサは元カナダ代表ペアスケーターのエリック・ラドフォードと新たにペアを組み、カナダ代表として活動を始めることを発表しました。これにより、彼女は再び国際舞台での活躍を目指しています。

主な戦績

ペア競技では、フランス代表として数々の国際大会に出場し、2019年欧州選手権と2018年グランプリファイナルで優勝、2018年と2022年の世界選手権で3位に入賞しています。女子シングルでは、2005年のイギリス選手権で優勝しています。

ヴァネッサ・ジェームスの軌跡

ヴァネッサ・ジェームスは、その多様なキャリアの中で、常に挑戦を続け、困難を乗り越えてきました。異なる国を代表し、パートナーを変えながらも、常に高みを目指し続ける彼女の姿は、多くの人々に感動と勇気を与えています。彼女の今後の活躍にも目が離せません。

プログラム使用曲

2006-2007シーズンは女子シングル、2008-2009シーズン以降はペアとしてプログラムを使用しています。

外部リンク

国際スケート連盟によるヴァネッサ・ジェームスとエリック・ラドフォード、モルガン・シプレ、ヤニック・ボヌールのバイオグラフィーは、彼女のキャリアをより深く理解するための貴重な情報源となります。また、彼女のInstagramアカウントでは、日々の練習風景やオフショットを見ることができます。

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