モルガン・シプレは、
1991年4月24日生まれの
フランス人
フィギュアスケート選手で、主にペア競技で活躍しました。彼のパートナーはヴァネッサ・ジェームスです。シプレは、2014年
ソチオリンピックに
フランス代表として出場し、2019年欧州選手権と2018年グランプリファイナルでは優勝、2018年世界選手権では3位入賞を果たしました。
経歴
シプレは、当初シングルスケーターとして
フィギュアスケートを始め、2010年の世界ジュニア選手権では13位という成績を収めています。その後、2010年9月9日に、
フランス氷上競技連盟のテストスケートの結果、ヴァネッサ・ジェームスとペアを組むことになりました。翌シーズンからペアとして競技会に参加し、
フランス選手権では2位、欧州選手権では
フランスのペアとして最高位の6位に入り、世界選手権の代表に選出されました。
2012-2013シーズンには、
ネーベルホルン杯で初の国際大会メダルを獲得し、
フランス選手権では優勝、チャレンジカップでは国際大会初優勝を果たすなど、出場した全ての大会で前年の成績を上回りました。しかし、2013-2014シーズンには右手首を負傷し手術。そのため練習が十分にできず、
ネーベルホルン杯や国内戦、
スケートアメリカを欠場しました。エリック・ボンパール杯には出場したものの5位となり、欧州選手権ではフリーで3回転トウループ+3回転トウループのコンビネーションジャンプを試みるも転倒し、5位に終わりました。
ソチオリンピックでは10位、世界選手権ではフリーの最後のリフトでミスを犯しました。シーズンオフにはコーチを
スタニスラフ・モロゾフに変更しています。
2014-2015シーズンには、夏に練習拠点を
モスクワに移しましたが、秋にはすぐに
フランスに戻り、元のコーチであるクロード・ペリ=テベナールに師事しました。2015-2016シーズンには、エリック・ボンパール杯がフリーの前に中止となったものの、
ショートプログラムで2位となり銀メダルを獲得しました。
フランスのペアがISU主催の国際大会でメダルを獲得したのは、2003年欧州選手権で
サラ・アビトボル/
ステファン・ベルナディス組が銀メダルを獲得して以来、13シーズンぶりの快挙でした。
2016-2017シーズンには、コーチを
ジョン・ジマーマンとジェレミー・バレットに変更し、練習拠点をアメリカ・コーラルスプリングスに移しました。欧州選手権では3位に入り、
フランスのペアとして14年ぶりに表彰台に立ちました。
しかし、2020年6月には、2017年にシプレが当時13歳の少女に対し性的な画像を2枚送付したという疑惑が浮上しました。この件については、2019年12月の段階で米国セーフスポーツセンターの調査対象にもなっていました。この疑惑を受け、2020年9月にシプレは選手活動から引退し、ジェームス&シプレのペアは解散となりました。
主な戦績
ペア競技における主な戦績は以下の通りです。
2019年 欧州選手権 優勝
2018年 グランプリファイナル 優勝
* 2018年 世界選手権 3位
引退後のスキャンダル
シプレのキャリアは、性的虐待疑惑という暗い影を落として終わりました。彼の引退は、
フィギュアスケート界における倫理的な問題や選手の行動規範について、改めて問い直すきっかけとなりました。
シプレの活躍は、
フランスの
フィギュアスケート界に大きな影響を与えましたが、そのキャリアの終焉は、多くのファンにとって失望を招くものでした。彼のケースは、スポーツ界における倫理観の重要性を強く示す教訓となっています。