ヴァルティスラフ10世 (ポメラニア公)

ヴァルティスラフ10世：ポメラニア公国の統一を目指した君主

ヴァルティスラフ10世（1435年 - 1478年）は、ポメラニア＝ヴォルガスト＝バルト公として、激動の時代を生きました。彼の生涯は、領土の継承、隣国との紛争、そしてポメラニア公国の統一という目標に彩られています。

生涯

1457年、父ヴァルティスラフ9世の死後、ヴァルティスラフ10世はバルトとリューゲンを受け継ぎました。その後、兄エーリヒ2世がスウプスク公領を得たことで、ヴォルガスト公領も彼の手に渡ります。しかし、彼の治世は決して平穏なものではありませんでした。

結婚と後継者問題

ヴァルティスラフ10世は2度結婚しています。最初の妃は、ブランデンブルク＝クルムバッハ辺境伯ヨハンの娘エリーザベト。彼女はポメラニア＝シュチェチン公ヨアヒム1世の未亡人であり、最後のシュチェチン公オットー3世の母でした。この結婚により、ヴァルティスラフ10世は未成年のオットー3世の後見人となります。しかし、ヴァルティスラフ10世とエリーザベトの間に生まれた2人の息子、エアトマールとスヴァンティボルは、1464年に相次いで疫病で亡くなり、オットー3世も死去。エリーザベトは1465年におそらく政治的な理由で離婚されています。

その後、1472年にメクレンブルク＝シュタルガルト公ハインリヒの娘マグダレーネと再婚しますが、彼女との間には子供は生まれませんでした。後継者問題は、ヴァルティスラフ10世の治世における大きな懸念事項でした。

ブランデンブルクとの抗争と領土の統一

オットー3世の死後、ヴァルティスラフ10世はブランデンブルク辺境伯との間で領土を巡る戦いを繰り広げます。一時的に領土の一部を失い、選帝侯の主権を受け入れることを余儀なくされますが、兄エーリヒ2世と共にシュチェチン公領を継承し、失地回復に尽力します。

1474年にエーリヒ2世が亡くなると、ヴァルティスラフ10世は甥のボギスラフ10世と共同で統治にあたります。ブランデンブルクとの戦いを指揮し、ガルツとその周辺地域を取り戻すことに成功しました。

ヴァルティスラフ10世は、ポメラニア公国の統一を強く望んでいました。彼は、分断された領土をまとめ上げ、強力な国家を築くために尽力しました。

死と遺産

1478年12月17日、ヴァルティスラフ10世はバルトで死去しました。彼の死後、領地は甥のボギスラフ10世が継承し、ついにポメラニア公領は統一されました。ヴァルティスラフ10世は、ノイエンカンプのシトー会修道院に埋葬されています。

ヴァルティスラフ10世の生涯は、領土の維持、隣国との紛争、そして国家の統一という、当時の君主が直面した課題を象徴しています。彼の遺産は、統一されたポメラニア公国として、後世に受け継がれていきました。

参考文献

Kozłowski, Kazimierz; Podralski, Jerzy (1985). Gryfici. Książęta Pomorza Zachodniego. Szczecin: Krajowa Agencja Wydawnicza. ISBN 83-03-00530-8.
Rymar, Edward (2005). Rodowód książąt pomorskich. Szczecin: Książnica Pomorska im. Stanisława Staszica. ISBN 83-87879-50-9.
Szymański, J.W. (2006). Książęcy ród Gryfitów. Goleniów: Kielce. ISBN 83-7273-224-8
Max Bär (1896). "Wartislav X.". Allgemeine Deutsche Biographie (ドイツ語). Vol. 41. Leipzig: Duncker & Humblot. pp. 213–214.
* Madsen U.. “Wartislaw X. Herzog von Pommern-Rügen und Barth” (ドイツ語). 2012年6月25日閲覧。

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