ヴァルティスラフ9世 (ポメラニア公)

ヴァルティスラフ9世（ドイツ語：Wartislaw IX., 1395/1400年 - 1457年4月17日、ポーランド語：Warcisław IX）は、ポメラニア＝ヴォルガスト公として15世紀に活躍した人物です。彼の生涯は、公領の統治、大学の設立への貢献など、多岐にわたります。

生い立ちと公位継承

ヴァルティスラフ9世は、ポメラニア公バルニム6世とフェロニカ・フォン・ニュルンベルクの長男として生まれました。1405年、父バルニム6世の死後、弟のバルニム7世と共に公位を継承します。しかし、当時は幼年であったため、叔父のヴァルティスラフ8世が1415年まで統治を行いました。ヴァルティスラフ8世の死後、ヴァルティスラフ9世は叔父の未亡人アグネスと共に、弟と従兄弟のバルニム8世およびシュヴィエントボル4世に代わって1425年まで統治を行いました。1417年のコンスタンツ公会議では、ドイツ王ジギスムントから公領を封土として与えられています。

1421年、公領の主要都市からの圧力を受けて、ヴァルティスラフはシュトラールズントにおいて簡易法廷（強盗や治安妨害の加害者のための臨時法廷）を設立する文書を発行しました。

ヴォルガスト公領の分割と再統一

1425年12月6日、ヴォルガスト公領が分割され、ヴァルティスラフ9世は弟バルニム7世と共同で、ヴォルガスト、グライフスヴァルト、デミーン、ギュッツコー、ウクラニ、デンマーク領を含む地域を統治しました。1451年に弟と従兄弟が亡くなると、ヴァルティスラフ9世はヴォルガスト、バルト、リューゲンを統一し、公領を再び統一することに成功しました。

グライフスヴァルト大学の設立

公領を統一した後、ヴァルティスラフ9世は晩年、グライフスヴァルト大学の設立に尽力しました。1456年5月29日、カリストゥス3世が大学設立の勅令を発行し、大学はポメラニア公の管理下に置かれ、経済的な管理は新たに設立された聖ニコウラス財団によって行われました。この大学は、後のポメラニア地方の発展に大きく貢献することになります。

死去と埋葬

ヴァルティスラフ9世は1457年4月17日の復活祭に、ヴォルガストまたはダルシンの狩猟小屋で呼吸困難のため亡くなりました。彼の埋葬場所は明確には分かっていませんが、ヴォルガストの聖ペテロ教会で行われたという説もあります。

家族

ヴァルティスラフ9世は、ザクセン＝ラウエンブルク公エーリヒ4世とゾフィー・フォン・ブラウンシュヴァイク＝リューネブルクの娘ゾフィーと結婚し、以下の子をもうけました。

エリーザベト（1420年頃 - 1473年） - クルンミンおよびベルゲン女公
エーリヒ2世（1418/25年 - 1474年） - ポメラニア公
ヴァルティスラフ10世（1435年 - 1478年） - ポメラニア公
クリストフ（1450年頃没） - 早世

ヴァルティスラフ9世の生涯は、ポメラニア地方の政治的統一と文化的な発展に大きく貢献したものであり、その功績は今日でも評価されています。

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