ヴァロン・ベーラミ

ヴァロン・ベーラミ：不屈の精神で戦い抜いたスイスのユーティリティプレイヤー

ヴァロン・ベーラミ（Valon Behrami）は、1985年4月19日、ユーゴスラビア（現コソボ）のコソヴスカ・ミトロヴィツァで生まれました。アルバニア人の血を引き、コソボ紛争から逃れるためにスイスへ亡命。サッカー選手として、MF（センターハーフ、右サイドハーフ）やDF（右サイドバック）をこなすユーティリティ性、そして何よりもその闘志あふれるプレースタイルで、多くのファンを魅了しました。

クラブキャリア

スイスでユース時代を過ごしたベーラミは、2003年にFCルガーノでプロデビュー。その後、イタリアのジェノアCFCへ移籍し、セリエBで才能の片鱗を見せます。エラス・ヴェローナへのレンタル移籍を経て評価を高め、2005年にセリエAのSSラツィオへ加入。瞬く間に中心選手へと成長し、同年にはスイス代表デビューも飾ります。

2008年にはイングランドのウェストハム・ユナイテッドFCへ移籍。その後、ACFフィオレンティーナ、SSCナポリといったイタリアのクラブを経て、2014年にはドイツのハンブルガーSVへ活躍の場を移しました。

代表キャリア

ベーラミは、U-18、U-19代表時代からスイスのゴールデンエイジの一員として活躍。2005年10月8日の2006年W杯予選フランス戦でA代表デビューを果たします。ドイツW杯予選プレーオフのトルコ戦では、W杯出場に大きく近づく自身初得点を記録。EURO2008では、グループステージ全3試合に出場しました。

南アフリカW杯ではチリ戦で退場処分を受けるなど、苦い経験も味わいましたが、その後も代表の中心選手として活躍。2018年8月7日に代表引退を表明するまで、国際Aマッチ83試合に出場し、2得点を記録しました。引退の理由としては、当時のヴラディミル・ペトコヴィッチ監督からの構想外通告に加え、「政治的な理由」も示唆されています。

ベーラミは、2006年、2010年、2014年、2018年と、4度のFIFAワールドカップに出場。スイス代表の躍進に大きく貢献しました。

プレースタイルと人物

ベーラミは、豊富な運動量と対人戦の強さを持ち味とする、アグレッシブなMF、DFでした。球際の激しさ、献身的な守備、そして攻撃への積極的な参加でチームに貢献。その闘志あふれるプレースタイルは、多くのファンを魅了しました。また、戦術理解度も高く、複数のポジションをこなせるユーティリティ性も持ち合わせていました。

妻はアルペンスキー選手のララ・グート。

タイトル

SSCナポリ
* コッパ・イタリア：2013-14

ヴァロン・ベーラミは、その不屈の精神と多才なプレースタイルで、スイスサッカー史に名を刻んだ名選手です。

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