ヴァンパイア:ザ・マスカレード

ヴァンパイア:ザ・マスカレード

『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』（Vampire: The Masquerade）は、ホワイトウルフ社が制作した「ワールド・オブ・ダークネス」シリーズの最初の作品として登場した、ライブRPG/ロールプレイングゲームです。

マーク・ラインハーゲンによって制作され、「ストーリーテリング・システム」を基盤としています。このゲームは、現代社会を舞台にしたゴシックパンクの世界観の中で、吸血鬼（ヴァンパイア）たちの存在と、彼らが織りなすドラマを中心に展開されます。

マスカレード（仮面舞踏会）とは

タイトルにもなっている「マスカレード」とは、吸血鬼社会を隠蔽するための偽装工作を指します。カマリラと呼ばれる吸血鬼の一派が、人間社会、政府、そしてマスメディアから吸血鬼の存在を隠し、秘匿しようとすることから、この名前が付けられました。

歴史

1992年には、オリジン賞の最優秀ロールプレイングゲーム部門を受賞しています。長きにわたり多くのファンに愛されてきましたが、2004年にゲームラインは終了しました。しかし、その精神は『ヴァンパイア:ザ・レクイエム』へと引き継がれています。

ゲームのルールと特徴

このゲームでは、プレイヤーは吸血鬼となり、様々な氏族（クラン）に属して、それぞれの能力や背景を活かしながら物語を進めていきます。政治的な駆け引き、人間との関係、そして内に秘めた獣性との葛藤など、多様なドラマが展開されます。

種族（クラン）

ゲームには、それぞれ異なる特徴を持つ13の血族（クラン）が存在します。以下に代表的なものを紹介します。

ヴェントルー（貴族/Blue Blood）: 13氏族の長を自任する、高貴な支配者の一族。
ギャンレル（よそ者/Outsider）: 自然を住まいとする、孤高の一族。
トレアドール（デカダン/Degenerate）: 美と退廃を愛する、耽美的な一族。
トレメール（妖術師/Warlock）: 黒魔術と外交で勢力を拡大する一族。
ノスフェラトゥ（ドブネズミ/Sewer Rat）: 醜悪な姿を持つ、隠遁者の一族。
ブルハー（暴徒/Rabble）: 好戦的で自由奔放な一族。
マルカヴィアン（狂人/Kook）: 狂気に満ちた、超越的な一族。
ツィミーシィ（悪鬼/Fiend）: 邪悪な人体改造を行う一族。
ラソンブラ（番人/Keeper）: サバトを影から操る一族。
アサマイト（殺し屋/Assassin）: 暗殺を専門とする一族。
ジョヴァンニ（死霊使い/Necromancer）: 死霊術とマフィアに通じる謎多き一族。
セトの信徒（ヘビ/Serpent）: 破滅と堕落をもたらす一族。
ラヴノス（ペテン師/Deceiver）: ジプシーの血を引く、詐欺師の一族。

人間

人間は、吸血鬼にとって食料であり、時には下僕となります。

人間の従者: 吸血鬼に雇われたり、魅了されたりして使役される人間。
グール（Ghoul）: 吸血鬼の血を飲んだ人間。超人的な力を得るが、吸血鬼の支配下にある。
レヴナント（Revenant）: ツィミーシィ氏族の人体実験によって生み出された存在。生まれながらにしてグールの力を持つ。

その他

このゲームは、単なる戦闘だけでなく、吸血鬼社会の複雑な人間関係や、倫理的な問題、そして自己の存在意義を問いかける深遠なテーマを扱っています。プレイヤーは、自らの選択を通して、独自の物語を紡ぎ出すことができるでしょう。

もう一度検索