ヴィアックス

株式会社ヴィアックス 概要

東京都に本社機能を置く株式会社ヴィアックスは、多岐にわたる事業を展開する企業です。その事業の中核は、長年にわたり培ってきたダイレクトマーケティング分野と、公共サービスの側面を持つ図書館関連分野の二つに大別されます。創業以来、時代の変化や社会の要請に応える形で事業領域を拡大し、多様なニーズに対応できる体制を構築してきました。

創業とダイレクトマーケティング事業の確立

同社の歴史は、1973年（昭和48年）8月に「日本メール株式会社」として東京都で設立されたことから始まります。設立当初、主要事業として注力していたのは、ダイレクトメール（DM）に関する一連の業務代行です。企業のマーケティング活動や顧客との関係構築を支援するため、DMの企画立案から始まり、デザインや印刷といった制作作業、そして宛先への正確な発送までをワンストップで提供していました。この分野で専門的なノウハウを蓄積し、確固たる事業基盤を築き上げました。

コーポレートアイデンティティと社名変更

創業から約18年が経過した1991年（平成3年）10月、同社は企業イメージの刷新を図るため、コーポレートアイデンティティ（CI）戦略を実施しました。このCI導入に伴い、従来の社名である「日本メール株式会社」を「株式会社ヴィアックス」へと変更しました。この社名変更は、単に名称を変えるだけでなく、従来のDM事業にとどまらない、将来的な事業拡大や多様化を見据えた企業の新たな意思表示であり、対外的な企業イメージを一新する重要な契機となりました。

図書館関連事業への参入

2000年代に入ると、株式会社ヴィアックスは新たな事業領域として、公共施設である図書館の運営・管理業務に注目します。そして、2002年（平成14年）9月には、東京都文京区に図書館事業本部を新たに設置し、この分野への本格的な参入体制を整えました。これは、それまでのビジネス領域とは異なる、公共サービスとしての側面が強い分野への挑戦であり、同社の事業多角化戦略における重要な一歩でした。

図書館事業の展開と指定管理者制度

図書館事業参入後、同社は速やかに実績を積み重ねていきます。2003年（平成15年）4月からは、公立図書館の様々な運営業務を受託する事業を開始しました。これには、図書資料の受け入れ・登録、貸出・返却業務、利用者からの問い合わせ対応、閲覧室の管理など、図書館運営に不可欠な多岐にわたる業務が含まれます。これにより、同社は図書館運営に関する実務的なノウハウを蓄積しました。

さらに、2007年（平成19年）4月には、地方公共団体が公共施設の管理運営を民間事業者に委託する「指定管理者制度」に基づき、東京都千代田区立図書館および大田区下丸子図書館の指定管理者に選定されました。これにより、これら二つの図書館の包括的な管理・運営業務を担うことになり、図書館事業における同社の立ち位置をより強固なものとしました。指定管理者としての業務は、単なる業務代行にとどまらず、サービスの企画・実施、施設の維持管理、職員の配置・マネジメントなど、より広範な責任と権限を持つものです。

現在の事業と展望

現在、株式会社ヴィアックスは、創業以来の柱であるダイレクトマーケティング事業で企業の販売促進や顧客コミュニケーションを支援しつつ、公共性の高い図書館関連事業を通じて地域社会への貢献も行っています。この二つの異なる事業領域を持つことで、多様化する市場や社会のニーズに対し、柔軟かつ的確に対応できる企業体制を構築しています。今後も、それぞれの事業分野で培った経験とノウハウを活かし、持続的な成長を目指していくことが期待されます。

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