ヴィクター・フレミング

ヴィクター・フレミング：アメリカ映画の巨星

ヴィクター・フレミング（1889年2月23日 - 1949年1月6日）は、アメリカの映画監督であり、特に1940年代のハリウッドにおいて多くの名作を手掛けたことで知られています。彼はカリフォルニア州ラ・カナダ・フリントリッジで生まれ、父親が地元で水道設備を整備していた技師でした。残念ながら、ヴィクターが4歳の時に父は亡くなり、母は再婚。後にロサンゼルスに移住し、伯父の元で育てられました。

学生時代のフレミングは非常に活発で、14歳の時に学校を辞め自転車店で働き始めます。この期間に自動車に興味を持ち、カーレーサーとして活動し、更にメカニックにもなるなど、技術者としての基礎を築きました。この時期、著名な映画監督アラン・ドワンと親交を深め、彼の助けで1910年に映画業界に足を踏み入れます。最初は撮影アシスタントやカー・スタントマンとして活動し、1915年頃から助監督として関わり始めました。

その後、フレミングは1916年にアメリカ陸軍の写真家としてサービスを提供した後、1919年に『暗雲晴れて』（原題：When the Clouds Roll by）で映画の監督デビューを果たしました。以降はダグラス・フェアバンクス主演の冒険映画などを数多く手がけ、映画業界での地位を確立します。

彼のキャリアの中でも特筆すべきは、1922年にパラマウント映画と契約し、人気女優クララ・ボウ主演の『フラ』（原題：Hula）や、エミール・ヤニングスのハリウッドデビュー作となった『肉体の道』（原題：The Way of All Fresh）などを監督したことです。これらの作品は批評家や観客から高い評価を受け、フレミングの名声を高めます。

1940年代に入ると、彼はいくつかの重要な映画を制作しました。その中には『ホワイト・シスター』（原題：The White Sister）、『宝島』（原題：Treasure Island）、そしてスペンサー・トレイシーが主演を務めた『我は海の子』（原題：Captains Courageous）などがあります。特に愛され続けているのが、1939年に公開された『オズの魔法使』（原題：The Wizard of Oz）や『風と共に去りぬ』（原題：Gone with the Wind）です。後者はアカデミー賞で9部門を受賞し、フレミングの名声を不動のものとしました。

しかし、1940年代後半になると、彼のキャリアは徐々に下降していきます。1941年の『ジキル博士とハイド氏』（原題：Dr. Jekyll and Mr. Hyde）を除き、彼は大ヒットを飛ばすことが少なくなり、彼の最後の監督作である1948年の『ジャンヌ・ダーク』（原題：Joan of Arc）が興行的に失敗に終わります。フレミングは1949年に心筋梗塞で亡くなりましたが、彼の残した映画作品は今日でも色あせることがありません。

主な監督作品

• - 1919年: 暗雲動く時 (When the Clouds Roll By)
• - 1927年: フラ (Hula)
• - 1932年: 紅塵 (Red Dust)
• - 1939年: オズの魔法使い (The Wizard of Oz)
• - 1939年: 風と共に去りぬ (Gone with the Wind)

フレミングは、その時代を代表する映画監督としての地位を確立し、多くの名作と共に映画史に名を刻み続けています。

もう一度検索